『ALL ABOUT RICHARD MILLE リシャール・ミルが凄すぎる理由62』。幻冬舎刊。川上康介・鈴木裕之共著。4630円(税別)。
リシャール・ミルの魅力を多角的に分析する書籍『ALL ABOUT RICHARD MILLE リシャール・ミルが凄すぎる理由62』(幻冬舎)は実に興味深い内容を持った1冊だ。我が国で、いわゆる〝リシャール本〟が刊行されるのはこれが3冊目。単行本の体裁をとっていた前2冊に比べると、本書はまるで別格の存在ともいえる豪華本に仕上がっている。内容は、リシャール・ミルが「凄すぎる理由」を62のテーマに即して解説していくというもの。テーマずつ読むのにちょうど良いテキスト量と、豊富で希少な写真が相まった美しいビジュアルも必見だ。巻末には「RM 001 トゥールビヨン」(2001)から最新の「RM 056 ジャン・トッド」までを収録したコンプリートカタログが入り、新旧のリシャール・ミル ファンも納得する内容だ。
機構論や製作秘話など、いかにも時計ブランド的なテーマだけでなく、リシャール・ミル氏そのもののヒューマニティあふれる人間性や幅広い趣味などを追っているのも、旧来の時計ブランド本にない魅力の一端になっている。