「RM 16-02 オートマティックエクストラフラット」は、リシャール・ミルがレクタンギュラーコレクションの RM 016 の新たな芸術的ビジョンを表現したモデルだ。この時計のケースにはふたつのバリエーションが用意された。ひとつは、マイクロブラスト仕上げ、サテン仕上げ、ポリッシュ仕上げを施したグレード5チタン製。もうひとつはテラコッタクオーツ TPT® を採用した、まったく新しいカラーリングだ。
このユニークな色合いは、直径わずか45ミクロンのシリカ糸にカラーマトリックスを含浸させ、層間に45°の角度をつけて積み重ね、6 バールの圧力で120℃に加熱するという、革新的なプロセスによって生み出された。ケースのために粉砕された未加工の複合材は、クリーミーホワイトクオーツ TPT® 製のミドルケースの上にセットされる。その結果、装飾的な要素を排除したデザインという本来の意図が具現化され、ブルータリズム建築の哲学が息づくスタイルを得た。
RM 16-02 オートマティック エクストラフラット
この時計の視覚的な特徴のひとつは、文字盤に見られる時間表示だ。このインデックスには糸のような模様が施され、ムーブメントのスケルトナイズされた迷路の中を通り抜けると、その模様が浮かび上がり、時間に生命を吹き込みようだ。慎重にデザインされたインデックスは視覚的な印象を操作し、謎めいたモチーフを解読させるように見る者を誘い、時計と着用者との微妙な関係を築いていくであろう。
自動巻き(Cal.CRMA9)。38石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。テラコッタクオーツTPT®ケース(縦45.64mm、横36mm、厚さ9.5mm)。30m防水。※価格は要問合せ。
RM 16-02 のケースは、手首にフィットする湾曲はそのままに、人間工学に基づいた装着感を実現し、あらゆるシーンに対応できる。ベゼル、ミドルケース、ケースバックの3つの主要部品は、すべてが極めて厳密な仕様に合うよう設計し組み立てられている。
自動巻き(Cal.CRMA9)。38石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。Tiケース(縦45.64mm、横36mm、厚さ9.5mm)。30m防水。※価格は要問合せ。
ケーシングリングは用いず、ムーブメントはグレード5チタン製ネジで固定したシャシーのマウントラバー(ISO SW)に取り付ける。これは、妥協のない高品質を重視していることを物語っている証左だ。3層構造のケースには3つのニトリル製O-リングガスケットが使用され、30mの防水性を保持。ケースの組み立てには、20本のグレード5チタン製スプラインネジと、316Lステンレススティール製の耐摩耗性ワッシャーを使用している。
透明な文字盤
RM 16-02 の文字盤は魅惑的な特徴を備え、そのインデックスはアリアドネの糸に似たワイヤーデカールに沿って配置され、スケルトンナイズされたムーブメントの複雑な迷路を案内する道筋を示している。インデックスは、この複雑な構造をたどることで時間を示すだけでなく、時計の大胆な建築的デザインを際立たせる役割も果たしている。
キャリバー CRMA9
マイクロブラスト仕上げが施されたグレード5チタン製のスケルトン地板には、グレーのエレクトロプラズマコーティングが施されている。唯一、分のブリッジだけが、ブラックPVDコーティングによって際立っている。Cal.CRMA9の極限的なスケルトンナイズは、様々な大きさの67個におよぶスケルトナイズ部のフライス加工と仕上げに無限の精度が要求され、各カットには面取りが施されている。
1 枚のプレートに対して約2時間のフライス加工と数十回にわたる手作業が必要だ。この緻密なプロセスが軽やかさと透明感を生み出し、ムーブメント内で形状と奥行きの相互作用を強調する。エンジニアリングの起点である地板、ブリッジ裏面などの部品も厳しい10年間エイジングテストと衝撃耐性テストを受けており、日常の過酷な使用に耐えることが保証されている。
プラチナ製ローター
ミクロの精度にこだわるリシャール・ミルの製造技術