パネライは、デザインとイノベーションの世界を支援すべく、4月8日から13日まで開催されているミラノサローネ国際家具見本市の公式タイムキーパーを歴任している。サローネ会場に設営されたパネライ ポップアップでは今年、「ルミノール GMT パワーリザーブ チェラミカ PAM01574」が発表された。

ルミノール GMT パワーリザーブ チェラミカ

ポリッシュ仕上げとサンドブラスト仕上げを組み合わせた44mmのブラックセラミックケースを特徴とし、ケースバックにはチタンベースにスモーク サファイアクリスタルの窓があしらわれた。30気圧 (約300メートル) 防水のこの時計は、表示された防水値よりも25%高い圧力をかけたテストを受けており、パネライの厳しい品質基準を満たしている。手巻き(Cal.P.9012)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約3日間。ブラックセラミックケース(直径44mm、厚さ14.67mm)。30気圧防水。248万6000円 (税込み)。
セラミックケースの製造プロセス
セラミックケースの製造プロセスは、強度と安定性で知られるハイテク素材である酸化ジルコニウムベースのセラミック粉末(ZrO2)から始まる。酸化ジルコニウム粉末はバインダーと混合され、その後に加工(成形または射出)され、時計部品の最初の大まかな形状が作成される。この最初の加工ステップによってできた部品は「グリーンパーツ」と呼ばれ、まだ密度が完全には高くなく、粗加工に適した状態である。
半成形ケースは高温オーブンで焼結処理される。この処理によりセラミックスが高密度化され、摩耗に耐えられる丈夫な素材に変化する。セラミック部品は焼結中に約20%収縮するため、最終寸法が正確になるよう緻密な計算が必要となる。
硬化したセラミックは、ダイヤモンド工具を使用して成形および研磨される。このステップでは、表面を滑らかにし、複雑なディテールを調整し、ルミノールケースの特徴的な曲線を実現する。パネライのケースデザインは、複数の丸みを帯びた表面と、リュウズプロテクターやブリッジなどのコンポーネントを備えており、比類のないレベルの技術とエンジニアリングの専門知識を必要とする。
ラグなどの最も露出度が高く繊細な部分を強化するために、広範囲にわたる研究開発が行われた。これらの改良により、日常の着用中に最も衝撃を受けるラグが、パネライの厳しい耐衝撃性基準を満たすことが可能になっている。
Cal.P.9012

本作は、自動巻きムーブメントである、Cal.P.9012を搭載。GMT機能により、セカンドタイムゾーンを簡単に追跡できるため、世界を旅する人にとって理想的な時計である。パワーリザーブは約3日間で、そのエネルギーは両方向ローターによって巻き上げられる ふたつのバレルに蓄えられる。正確な時刻設定のために、リュウズを引き出すとテンプが停止し、同時にセコンドリセット機能によりスモールセコンド針が0にリセットされる。クイックタイム設定機能により、時針と日付を簡単に前後に調整できる点も便利だ。構成部品231個、31石のCal.P.9012は、直径133⁄4 リーニュ、厚さわずか6mmで、スモーク サファイアクリスタルのケースバックから見ることができる。2点支持のブリッジで固定されたテンプは、毎時2万8800振動で、正確で高い信頼性を保証する。
サンドイッチダイアル

サンドイッチ構造のダイアルは、パネライの機能的なデザインを忠実に再現している。レバーロック式リュウズプロテクター、サンドイッチダイアル、夜光など、もともと海軍向けに設計された機能は、現在ではルミノールのデザインに不可欠なものとなっている。ブルーのサンブラッシュ仕上げのサンドイッチダイアルには、5時位置にパワーリザーブ インジケーターが配され、「ORE」の文字(イタリア語で「時間」)が優雅に刻まれている。これにより、エネルギー残量を明確かつ実用的に確認できる。12時間表示のGMT針、3時位置のデイトウィンドウ、ダイアルのエッジに沿った分目盛りが実用的で、分を正確に読み取ることが可能だ。発光マーカー、時針、分針にはグリーンに光るホワイトのスーパールミノバ® X2 が、パワーリザーブ インジケーターと GMT 針にはブルーのスーパールミノバ® X1 が塗布されている。