ユリス・ナルダンは、プラスチックによる海洋汚染に警鐘を鳴らして漁網をアップサイクルし、ダイバーやマリーンコレクションに使える新しいストラップとして再利用することにより、循環型経済への貢献を強化する。漁網をリサイクルした初のストラップは「R ストラップ」と名付けられた。
ベンのメッセージに応えるため、ユリス・ナルダンは漁網を完全にリサイクルした革新的なポリアミドの糸を採用し、新しいリストストラップを作り上げた。「マリーントルピユール」、「ダイバー44mm」、「ダイバー42mm」、「ダイバークロノグラフ」、「フリークX」に着けることができる。このストラップはユリス・ナルダン初の100%の防水キャンバス製で、ベン・ルコントが誇りを持ってアンバサダーを務める。エッジの編み込みは頑丈な造りで、ほつれを防ぎ摩耗に耐えるようになっている(マーチンデール摩耗試験)。(100%漁網製の)YTT+糸を供給するJTTi(企業)による押し出し成形の前に染色を行うことにより、ブラックカラーは均一になり製造中に水を使用しないという、環境保護における大きなメリットも得られる。
ベン・ルコントの活動
「私はこの壮大でありつつも許しがたい光景に圧倒される思いでした。スポーツとしての挑戦がもはや私にとって目標にはならないことが、このときはっきりとわかったのです。汚染についての意識を高めるという使命が、はるかに重要となりました。」
2019年、彼はプラスチックが漂う太平洋の渦への途方もない遠泳に再度出発した。1997年にヨットマンのチャールズ・ムーアが発見した「太平洋ゴミベルト」は、海流が渦巻きゴミが集積する領域である。ベンは渦の中心を泳いでいる時、私たちの日常生活で使用する物を含め1分で3個のプラスチックを見つけた。そのほとんどがボトルのキャップだったが、中には釣り道具もあった。「網は大抵ボールに絡まっていて、明らかに船外に投げ捨てられたと思われるロープで一つにまとまっています。」廃棄された網によって、毎年約10万頭もの鯨やイルカ、アシカ、アザラシ、カメが死んでいる。
プラスチックは完全に分解することはない。極めて細かな粒子になるまで小さくなるが、害を及ぼす可能性が逆に高まってします。「私は果てしなく続く大量の紙吹雪のようなものを見つけました。マイクロプラスチックが集積しているところを泳ぐことは、まるで吹雪の中を渡るかのようです。実際この薄片は何百万ものプラスチック粒子なのです。これは大問題だと感じ動揺しました。」
「私の心と体は分かれています。体は自動操縦モードで泳いでいます。私は泳ぐ時、時間を圧縮します。時間は分になり、分は秒になります。私は呼吸、心臓、そしてその鼓動に集中します。数時間泳いでいる間私は我に返り、そのたびにその時間をビジュアル化します。そしてその必要を感じれば時計を見て、その時刻を頼りに泳ぎを続けるのです。」
1846年にマリンクロノメーターを制作したユリス・ナルダンは、海の世界との深いつながりを築き歩みだした。今もなおその歴史を強く継承するユリス・ナルダンが、海や海洋生物の保護に向けて、持続可能性に対する取り組みに焦点を当てるのは当然のことなのだ。
驚きの事実
・毎年、900万トンのプラスチックが海に流されています(科学)
・1年間に3億5 千万トンのプラスチックが製造されています(UNO)
・1990年代以降に流されたプラスチックのほとんどが、まだ分解を始めていません(科学報告書)
・毎年、64万トンの漁網が紛失あるいは廃棄されています(UNO)
・太平洋の渦で見つかったプラスチックの46%が漁網からもたらされたものです(UNO)
・廃棄された網によって、毎年約10万頭の鯨、イルカ、アシカ、アザラシ、カメが死んでいます(世界動物保護協会)
・この文章を読んでいる間に、80トンのプラスチックが海に流されることになるでしょう
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