エルメスの精密さと調和を兼ね備えたシンプルな時計である「スリム ドゥ エルメス」に、エナメルダイアルの特別なモデルが追加された。2012年に野村大輔氏がデザインしたスカーフをモチーフとし、世界で限定8本のみが販売される。
職人の技が光るダイアル
エルメスは2021年の新作として、アーティスティックなエナメルダイアルを取り入れ、随所に職人の技術が光る「スリム ドゥ エルメス セ・ラ・フェット」を発表した。エナメル職人と彫金師の熟練の技を組み合わせた、限られたオーナーのための贅沢なモデルだ。
自動巻き(Cal.H1950)。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。18KWG(直径39.5mm)。3気圧防水。世界限定8本。1274万9000円(税込み)。
この作品のダイアルデザインのモチーフとなったのは、同社の代表的なスカーフのひとつであるカレ「セ・ラ・フェット」である。燕尾服にシルクハットを被り正装をまとう人間が、馬に乗り操っている様を描いたもので、双方ともに骸骨の姿になっているというものだ。
ユニークなデザインを手掛けたのは、日本のデザイナーやイラストレーターとして活動する野村大輔によるものだ。エルメスを象徴するモチーフと、漫画やアニメ、ゲーム文化を融合させて、独特な世界観を生み出している。
このモチーフをダイアルで再現するため、熟練の職人技を駆使した伝統的な手法を用いられている。ダイアルの下地にはパイヨンエナメルが用いられ、透明感のあるエナメルの上にミニアチュール(細密画)を描いている。そして、その上に重ねられた馬と人間のモチーフは、ゴールドのプレートに彫刻刀やタガネを用いて、立体的に浮き彫りにしているのだ。
完成したダイアルは、マイクロローターを採用した薄型の自動巻きキャリバーH1950とともに、ホワイトゴールド製のケースに入れられる。ダイアルカラーのイメージに合わせるため、アリゲーターストラップはネイビーのものが付属している。
メゾンの職人技が生み出した8本の「スリム ドゥ エルメス セ・ラ・フェット」は、パイヨンエナメルの透明感と、エングレービングの輝きをまとう、唯一無二の芸術作品だ。
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