【2022年 新作】サステナブルな素材で構成されたダイバーズウォッチ、ユリス・ナルダン「オーシャンレース ダイバー」

ユリス・ナルダンは、オーシャンレースの公式タイムキーパーに就任し、記念限定モデル「オーシャンレース ダイバー」を発表した。今作は、廃棄された漁網から作られたNylo®や、カーボンの端材であるCARBONIUM®をはじめとしたリサイクル素材を多用したダイバーズウォッチであり、世界限定200本が販売される。

ユリス・ナルダンの海洋環境保護の取り組みが生み出した意欲作

　ユリス・ナルダンより、リサイクル素材を多用したダイバーズウォッチ、「オーシャンレース ダイバー」が発表された。1846年創業の同社は、優れたマリンクロノメーターの製造によって名声を得たことで知られている。そのような背景から、海との深い関わりを持つ同社は近年、海洋環境保護に向けてアップサイクルの取り組みを進めている。2020年に発表された、海洋プラスチックごみを用いた「Rストラップ」や、コンセプトウォッチの「ダイバー ネット」は、その取り組みの一環である。

　　今回発表された「オーシャンレース ダイバー」は、フランスのFIL&FAB社、ラヴォアジエ・コンポジット社、JTTI社、オーストリアのフェーストアルピネ・ボイラー社等の協力を得て、ケース、ストラップ、ムーブメントに至るまでリサイクル素材を用いた市販モデルである。加えて、同社は2023年1月15日にスペインのアリカンテをスタートする外洋ヨットレース「オーシャンレース」の公式タイムキーパーに就任しており、今作はその記念モデルとしても位置付けられている。

　マーブル模様のベゼルには、カーボン製の航空機部品の端材を使用したラヴォアジエ・コンポジット社製のCARBONIUM®が採用されている。端材を活用しているため、他のカーボン複合材料に比べ、40%の環境負荷低減に成功している。

　サイドケースとケースバックには、CARBONIUM®が40%と、漁網から再生されたポリアミドであるNylo®が60%の複合素材が組み合わされている。ステンレススティールは、自動車業界のリサイクルルートから供給されたリサイクル率80～85%のものを採用しており、リサイクル素材ながらも高級時計の外装として相応しい品質を備えている。

　装着されているベルトは、漁網を100％再利用したテキスタイルストラップだ。ムーブメントの95%の部品は、同社のマニュファクチュールから半径30km以内で調達しており、更にその半分のステンレススティールや真鍮等には、リサイクル素材が採用されている。内外装含め、徹底的にリサイクル素材の比率を高めた意欲作と言えるだろう。

　ダイアルは、2020年に発表されたコンセプトウォッチの「ダイバー ネット」のデザインを踏襲している。ただし、3時位置と9時位置に配されていた“U”と”N”の文字は取り除かれ、セミマット仕上げとハーフサテン仕上げを使い分けることによって、ダイアル中央の大きな“ダブルX”を際立たせている。ケースバックには、今回タイムキーパーに就任したオーシャンレースのロゴが配されている。