昨年に引き続き、リアルでの開催となった世界最大の時計見本市、ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2023。本格開催となった今年は48ものブランドが参加し、過去最高の充実度を見せた。今回のTop10ランキングでは、ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2023で発表されたモデルの中から傑作と呼べるものを厳選。見事1位に選出されたのは、グランドセイコー初の機械式クロノグラフとして披露された「テンタグラフ」だった。

[クロノス日本版 2023年7月号掲載記事]


ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2023傑作選

10位 エルメス/エルメス H08 クロノグラフ

18point / 2persons

H08 クロノグラフ
Photo:「H08 クロノグラフ」。自動巻き。カーボン×Ti。214万5000円(2024年7月以降発売予定)。(問)エルメスジャポン Tel.03-3569-3300

●エルメスの洗練されたスタイリングとモノプッシャークロノグラフとの融合がなんとも絶妙。期待度マックス、来年の発売が待ち遠しい。(菅原)

9位 ロレックス/オイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナ

22point / 2persons

オイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナ
Photo:「オイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナ」。自動巻き。Pt。予価925万3200円(今秋発売予定)。(問)日本ロレックス Tel.0120-929-570

●中が見える! それだけでニュースになるなんて、清純派女優かロレックスのスポーツモデルくらいです。(篠田)

8位 シャネル/J12 サイバネティック

34point / 3persons

J12 サイバネティック
Photo:「J12 サイバネティック」。自動巻き。高耐性ブラック&ホワイト セラミック×SS。数量限定。201万3000円。(問)シャネル(カスタマーケア) Tel.0120-525-519

●J12を買うのはある意味で難しい。理由は毎年予想を超えるものが披露され、ここで決めていいものか悩むからだ。本作を見て「やられた」と思うオーナーは多いかもしれない。本作は「パラドックス」をさらに発展させ、形状が時代を示すメッセージになっている。(安藤)

7位 チューダー/ブラックベイ54

43point / 5persons

ブラックベイ 54
Photo:「ブラックベイ 54」。自動巻き。SS。49万600円。(問)日本ロレックス/チューダー Tel.0120-929-570

●小径薄型のダイバーズウォッチ。軽くて着けやすい時計だが、ブレスレットやベゼルの感触は、今風にカッチリしている。適度に肩の力が抜けた、今のチューダーにしか作り得ないモデルだ。(広田))

6位 カルティエ/タンク ノルマル

46point / 4persons

タンク ノルマル
Photo:「タンク ノルマル」。手巻き。Pt。世界限定100本。778万8000円。(問)カルティエ カスタマー サービスセンター Tel.0120-301-757

●良い意味での原点回帰。クラシックの価値を再発見させる。ノルマルだから、限定でなくレギュラー化してほしい、です! (菅原)

5位 IWC/インヂュニア・オートマティック 40

50point / 4persons

インヂュニア・オートマティック 40
Photo:「インヂュニア・オートマティック 40」。自動巻き。SS。156万7500円。(問)IWC Tel.0120-05-1868

●ジェラルド・ジェンタのデザインが堂々たる帰還。展示会のブースのデザインも最高だった。(篠田)

4位 ジャガー・ルクルト/レベルソ・トリビュート・クロノグラフ

60point / 4persons

レベルソ・トリビュート・クロノグラフ
Photo:「レベルソ・トリビュート・クロノグラフ」。手巻き。SS。365万2000円。(問)ジャガー・ルクルト Tel.0120-79-1833

●レベルソが持つデザイン性と見事に共存しているという点で、レベルソ・クロノグラフの完成形と言ってもよい1本。特に30分積算計をレトログラードにしたのは拍手。裏面での時刻確認ができるようになり、実用性もアップ。(安藤)

3位 A.ランゲ&ゾーネ/オデュッセウス・クロノグラフ

66point / 5persons

オデュッセウス・クロノグラフ
Photo:「オデュッセウス・クロノグラフ」。自動巻き。SS。世界限定100本。価格要問い合わせ。(問)A.ランゲ&ゾーネ Tel.0120-23-1845

●オデュッセウス固有のデザインに影響を与えないようにクロノグラフを設計。そしてステンレススティールモデルとしてリリース。時計愛好家の嗜好を熟知した「さすが」の逸品。(菅原)

2位 ショパール/L.U.C 1860

69point / 5persons

L.U.C 1860
Photo:「L.U.C 1860」。自動巻き。ルーセントスティール™。予価326万7000円(年内発売予定)。(問)ショパール ジャパン プレス Tel.03-5524-8922

●サーモンピンクのダイアルに施されたギヨシェ装飾の美しさが際立つモデル。これにグレーのシボの入ったカーフスキンストラップを合わせるところに鋭いセンスを感じる。(名畑)

●ショパールとしては珍しく、趣味性を炸裂させたモデル。ルーセントスティール™製のケースに、好事家好みのサーモンダイアルを採用する。ストップセコンドが付き、日付表示が省かれたCal.L.U.C 96.40は、Cal.L.U.C1.96系のベストではないか。(広田)

1位 グランドセイコー/エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001

75point / 6persons

エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001
Photo:「エボリューション9 コレクション テンタグラフ」SLGC001。自動巻き。ブライトチタン。181万5000円。(問)セイコーウオッチお客様相談室(グランドセイコー) Tel.0120-302-617

●グランドセイコーで初となる機械式クロノグラフというのに、まず驚き。それが10振動/秒のハイビートで10気圧防水、クロノグラフ制御はピラーホイール式、動力伝達は垂直クラッチという、世界水準の高級クロノグラフだから納得。(名畑)

●待望のグランドセイコー初のメカニカルクロノグラフは、ハイビートでありながら約72時間のパワーリザーブを持つ。プッシュボタンの押し心地もよく、すべてにおいて、高い実用性を意識したグランドセイコーらしいクロノグラフだと思う。(安藤)