選考委員による選定モデルの詳細

菅原 茂(69歳) 時計ジャーナリスト
「汎用ムーブメントにない独自設計に注目!」

自社開発というくくりで選ぶとなると、おのずと限られるが、ここではブランドの独自色を打ち出したものに絞った。機能を過度に主張しないデザインと高機能を秘めたムーブメント、その絶妙なサジ加減もポイント。

  1. ブレゲ/タイプ ⅩⅩ 2067
  2. A.ランゲ&ゾーネ/オデュッセウス・クロノグラフ
  3. パテック フィリップ/カラトラバ・パイロット・トラベルタイム・クロノグラフ 5924
  4. エルメス/エルメスH08 クロノグラフ
  5. ジャガー・ルクルト/レベルソ・トリビュート・クロノグラフ
  6. ショパール/L.U.C 1963 ヘリテージ クロノグラフ
  7. ロレックス/オイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナ(126506)
  8. グランドセイコー/エボリューション9コレクション テンタグラフ SLGC001
  9. オメガ/スピードマスター スーパーレーシング(スピレートシステム)
  10. タグ・ホイヤー/タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ(Cal.TH 20-00搭載モデル)

篠田哲生(46) ウォッチディレクター
「手巻き式クロノグラフが、基本的には好きなのですが……」

手巻き式のクロノグラフは、時計界のシーラカンス。ただ美しいという価値だけで生き残っているが、それがとてつもなく魅力的だ。だから本来なら全部手巻き式で埋めたいのだが、最近は自動巻きやクォーツにも魅力的なクロノグラフムーブメントが多いので、その辺をまとめてラインナップしてみました。

  1. A.ランゲ&ゾーネ/1815 クロノグラフ
  2. ヴァシュロン・コンスタンタン/ヒストリーク・コルヌ・ドゥ・ヴァッシュ 1955
  3. オメガ/スピードマスター ムーンウォッチ 321 ステンレススティール
  4. グランドセイコー/エボリューション9コレクション テンタグラフ SLGC001
  5. ジャガー・ルクルト/レベルソ・トリビュート・クロノグラフ
  6. ロレックス/オイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナ(126506)
  7. A.ランゲ&ゾーネ/オデュッセウス・クロノグラフ
  8. ゼニス/クロノマスター スポーツ
  9. エベラール/クロノ4 21-42
  10. セイコー/プロスペックス スピードタイマー ソーラークロノグラフ 1/100秒計測 SBER001

安藤夏樹(48歳) 編集者
「クロノグラフは美しさと楽しさで選ぶ時代」

クロノグラフを選ぶ基準はすでに大きく変わった。機能性だけで評価する時代は終わり、付加価値としていかに楽しめるかがその鍵を握る。今年は多くのブランドが意欲作を発表しており、選択肢は多い。というわけで、今回は、純粋に自分が欲しいと思えるものを選んだ。

  1. A.ランゲ&ゾーネ/ダトグラフ・アップ/ダウン
  2. オメガ/スピードマスター スーパーレーシング(スピレートシステム)
  3. グランドセイコー/エボリューション9コレクション テンタグラフ SLGC001
  4. ブルガリ/オクト フィニッシモ クロノグラフ GMT オートマティック
  5. セイコー/プロスペックス スピードタイマー ソーラークロノグラフ 1/100秒計測
  6. ゼニス/パイロット ビッグデイト フライバック
  7. タグ・ホイヤー/タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ トゥールビヨン
  8. オーデマ ピゲ/CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ (26393 S T.OO.A056KB.01)
  9. モンブラン/モンブラン 1858 アンヴェールド タイムキーパー ミネルバ リミテッドエディション
  10. エルメス/エルメスH08 クロノグラフ

髙木教雄(60歳) ライター
「趣味性の高い機構は、見た目も大事」

自動巻き・コラムホイール・垂直クラッチが、2000年代以降の自社開発クロノグラフのトレンドである。しかし実用性より趣味性が高い機構であり、トランスパレントバックが主流でもあるため、見目麗しい手巻きの水平クラッチ、それもキャリングアーム式が個人的には好み。加えて独創性や歴史なども鑑みて10作をチョイスした。

  1. A.ランゲ&ゾーネ/1815 クロノグラフ
  2. パテック フィリップ/クロノグラフ 5172
  3. ジャガー・ルクルト/レベルソ・トリビュート・クロノグラフ
  4. F.P.ジュルヌ/サンティグラフ
  5. ブルガリ/オクト フィニッシモ クロノグラフ GMT オートマティック
  6. ゼニス/クロノマスター オリジナル 1969
  7. ブライトリング/ナビタイマー B01 クロノグラフ 41
  8. オーデマ ピゲ/ロイヤル オーク クロノグラフ
  9. ブレゲ/タイプ 20 2057
  10. グランドセイコー/エボリューション9コレクション テンタグラフ SLGC001

名畑政治(64歳) 時計ライター
「時計マニアにとって夢のラインナップ」

「自社開発クロノグラフ」と聞いて頭に思い浮かんだモデルを書き出したらすぐ10モデルに到達したが、多分、他の方も似たラインナップになるのではないかと思う。それにしても昔に比べてクロノグラフも高くなりましたね。例によってすべて同列、順位なし。

  • グランドセイコー/エボリューション9コレクション テンタグラフ SLGC001
  • ブライトリング/ナビタイマー Ref.806 1959 リ・エディション
  • パテック フィリップ/クロノグラフ 5172
  • オメガ/スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル
  • A.ランゲ&ゾーネ/ダトグラフ・アップ/ダウン
  • リシャール・ミル/RM 72-01 オートマティック フライバッククロノグラフ
  • ウブロ/ビッグ・バン インテグレーテッド チタニウム
  • ゼニス/クロノマスター リバイバル “シャドウ”
  • ブレゲ/タイプ ⅩⅩ 2067
  • F.P.ジュルヌ/サンティグラフ

広田雅将(49歳)『クロノス日本版』編集長兼アートソルジャー
「傑作揃いで選択に迷う」

機械式時計の華とも言えるクロノグラフ。今回は実用性または審美性のどちらかの観点から選んだ。実用性ならデイトナ、審美性ならダトグラフだろう。スピレートシステムを載せたオメガのスーパーレーシングを3位に選んだ。シリコンヒゲを触ることで、理論上は超高精度が得られるはずだ。

  1. ロレックス/オイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナ
  2. A.ランゲ&ゾーネ/ダトグラフ・アップ/ダウン
  3. オメガ/スピードマスター スーパーレーシング (スピレートシステム)
  4. オメガ/スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル
  5. ジャガー・ルクルト/レベルソ・トリビュート・クロノグラフ
  6. ダマスコ/ストップミニット DC 86L
  7. グランドセイコー/エボリューション9コレクション テンタグラフ SLGC001
  8. リシャール・ミル/RM 72-01
  9. ブレゲ/タイプ ⅩⅩ 2067
  10. タグ・ホイヤー/タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ


ランキングの集計ルール
●選考委員は、各号のテーマに沿った腕時計を10本選び、順位をつける。
●選考委員ひとりあたりの所持ポイントを110点とし、これを1位20点、2位18点…… 10位2点として選考モデルに振り分ける。
●選考された時計が順位無しの場合は、所持ポイントを10等分して、各モデルに11点を与える(選考本数が10本に満たない場合でも、1モデルあたり11点とする)。
●獲得点数が同点となった場合は、選考者数の多いモデル、その中で選考順位の高いモデルの順で優位とする。
●最低有効得票数を2票とする。

※ウブロはディストリビューターの都合により、得票があった場合でも順位に含まれません。


グランドセイコー初の機械式クロノグラフ「テンタグラフ」は見た目以上にスゴイ! これは精度を追求したGSの正統進化モデル

https://www.webchronos.net/features/95274/
【2023年新作時計】ジャガー・ルクルトがスポーツコンプリケーションの真髄「レベルソ・トリビュート・クロノグラフ」を発表

https://www.webchronos.net/news/93033/
ブレゲがついに完成させたフライバック付きクロノグラフの集大成「タイプ XX 2067」

https://www.webchronos.net/features/101337/