選考委員による選定モデルの詳細

菅原 茂(69歳) 時計ジャーナリスト
「ドレスウォッチの出番再び」

過去のようなドレスウォッチ=オジサン時計というイメージを払拭するモデルに注目。クラシカルなデザインと最新テクノロジーを融合した今風の時計や、スポーティーあるいはコンテンポラリードレスとも呼ぶべき新鮮な時計からの10選とした。

  1. ロレックス/パーペチュアル 1908
  2. ショパール/L.U.C 1860
  3. パルミジャーニ・フルリエ/トンダ PF オートマティック
  4. オーデマ ピゲ/CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック SSモデル
  5. ブルガリ/オクト フィニッシモ オートマティック
  6. オメガ/デ・ヴィル プレステージ パワーリザーブ
  7. ロンジン/ロンジン マスターコレクション 190周年モデル
  8. A.ランゲ&ゾーネ/サクソニア フラッハ
  9. ジャガー・ルクルト/マスター・コントロール・デイト
  10. ロンジン/ロンジン エレガント コレクション

篠田哲生(46) ウォッチディレクター
「日常にワクワクをもたらす。それがドレスウォッチの役割」

ドレスウォッチは装うための時計だから、特別な日に使うべきだろう。しかしそういう時計を日常的に使えば、日常に新しい風を吹き込んでくれるかもしれない。だからワクワクする、きれいな時計を選んだ。といってもゴールドは何かと気を遣うのでステンレススティール製をセレクト。なるべく薄型がいいので、クォーツも範囲内だ。

  1. カルティエ/タンク マスト クォーツモデル
  2. ショパール/L.U.C 1860
  3. オーデマ ピゲ/CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック SSモデル
  4. フランク ミュラー/カサブランカ
  5. グランドセイコー/エレガンスコレクション SBGX347
  6. ロンジン/ロンジン マスターコレクション 190周年モデル
  7. ゼニス/エリート クラシック
  8. IWC/ポートフィノ オートマティック
  9. エベラール/トラベルセトロ ヴィトレ
  10. ボーム&メルシエ/クラシマ クォーツモデル

安藤夏樹(48歳) 編集者
「今こそ1本は手にしたいドレスウォッチ」

5年以上前から「ドレスウォッチが来る」と言い続けた僕にとっては念願のテーマだが、選定は非常に難しかった。自分の中でドレスウォッチといえば、薄型、無垢、2針が基本。その上で48時間以上のパワーリザーブをクリアできるモデルはなかなか存在しない。そのため今回は2針の条件を外しても、厳しい条件だった。

  1. パテック フィリップ/ゴールデン・エリプス Ref.5738/51
  2. ピアジェ/アルティプラノ 38mm 900P
  3. ヴァン クリーフ&アーペル/ピエール アーペル ウォッチ ゴールドブレスレット
  4. クレドール/マスターピースコレクション 叡智Ⅱ
  5. オーデマ ピゲ/ロイヤル オーク “ジャンボ” エクストラ シン(16202BAなどのゴールドケース)
  6. ブレゲ/クラシック 5177 グラン・フー ブルーエナメル
  7. ヴァシュロン・コンスタンタン/マルタ・マニュアルワインディング

野上亜紀 時計・宝飾ジャーナリスト
「ジェンダーレス化の傾向も交えて」

2針・ゴールドケース・手巻き以外の、新時代のドレスとして選んだ。最近のジェンダーレス化の傾向も踏まえての直径30mm台の40mm以下を中心としているが、レディースモデルに関してはあえて定番小さめサイズもいくつかセレクト。

  • ロレックス/パーペチュアル 1908
  • パルミジャーニ・フルリエ/トンダ PF ミニッツラトラパンテ
  • ロンジン/ロンジン マスターコレクション 190周年モデル
  • グランドセイコー/ヘリテージコレクション SBGW299
  • パテック フィリップ/カラトラバ Ref.7200
  • IWC/ポートフィノ・オートマティック 37
  • オーデマ ピゲ/CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック 77410OR.OO.A825CR.01
  • カルティエ/ベニュワール ミニモデル
  • ピアジェ/アルティプラノ オリジン
  • ジャガー・ルクルト/レベルソ・ワン・デュエット

名畑政治(64歳) 時計ライター
「日付なしこそドレスウォッチの本道だと思うのだが……」

個人的にはドレスウォッチは日付なしであってほしいと思うが、まだまだ日付ありが多い。なので、ほぼすべて日付なしだが、一部、捨てがたい魅力のある日付ありモデルも入れました。例によってすべて同列、順位なし。

  • パルミジャーニ・フルリエ/トンダPF スポーツ オートマチック
  • ノモス グラスヒュッテ/クラブスポーツ ネオマティック ペトロール
  • ゼニス/エリート クラシック
  • ユンハンス/マックス・ビル バイ ユンハンス ハンドワインド 027 3701 02M
  • ジャガー・ルクルト/マスター・ウルトラスリム・スモールセコンド
  • ロレックス/パーペチュアル 1908
  • カルティエ/タンク マスト SM クォーツ
  • オリス/アートリエ S
  • タイメックス/マーリン シルバー ブレス
  • ロンジン/ロンジン マスターコレクション L2.843.4.93.2

広田雅将(49歳)『クロノス日本版』編集長兼アートソルジャー
「ドレスウォッチの最低条件は薄さだ」

今や、十分以上の実用性を持つようになったドレスウォッチ。何を選んでももはや外れはないが、今回は、厚さ11mm以下のモデルを選んだ。個人的な1位は、ダントツで「叡智Ⅱ」。厚みが関係なければ、ナルダンとIWCも加えたかった。

  1. クレドール/マスターピースコレクション 叡智Ⅱ
  2. A.ランゲ&ゾーネ/1815
  3. オーデマ ピゲ/CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ
  4. ロンジン/ロンジン マスターコレクション
  5. F.P.ジュルヌ/クロノメーター・スヴラン
  6. ブレゲ/クラシック 5177
  7. パテック フィリップ/カラトラバ Ref.6119
  8. シチズン/ザ・シチズン Caliber 0100
  9. オメガ/デヴィル トレゾア
  10. グランドセイコー/エレガンスコレクション SBGW259


ランキングの集計ルール
●選考委員は、各号のテーマに沿った腕時計を10本選び、順位をつける。
●選考委員ひとりあたりの所持ポイントを110点とし、これを1位20点、2位18点…… 10位2点として選考モデルに振り分ける。
●選考された時計が順位無しの場合は、所持ポイントを10等分して、各モデルに11点を与える(選考本数が10本に満たない場合でも、1モデルあたり11点とする)。
●獲得点数が同点となった場合は、選考者数の多いモデル、その中で選考順位の高いモデルの順で優位とする。
●最低有効得票数を2票とする。


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