バーゼルワールドに代わる世界最大の時計見本市となった、ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ。世界的に猛威を振るう新型コロナウイルスの影響により2020年と21年はオンラインでの開催だったが、22年は初めてリアルでの開催となった。今回のTop10ランキングでは、ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2022で発表されたモデルの中から特に優れたものを厳選。世界に衝撃を与えた、グランドセイコーの「Kodo」が、堂々の1位となった。
ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2022の傑作
10位 IWC/パイロット・ウォッチ・クロノグラフ・トップガン
14point / 2persons
●パントンとの共同で開発した4色のセラミックモデルの中で、色的には普通に思えてしまう本作。確かにホワイトセラミックスの時計は他にもあるが、多くの場合甘すぎるというか、軽すぎるというか、魅力的なものは多くない。本作は、持ち前のマッシブなデザインに加え、文字盤を黒で引き締めることで完成度を高めた1本。(安藤)
9位 ゼニス/クロノマスター オープン
18point / 2persons
●文字盤の一部をトリミングして内部を見せる「オープン」は2000年代のゼニスがメガヒットだったが、今回はそのお家芸を人気のクロノマスタースポーツに採用。かつては穴からのぞくムーブメントと文字盤の間に距離を感じ、やや間延びした印象があったが、新作ではそれが改善され、より高級感が増した。(安藤)
8位 ジャガー・ルクルト/マスター・ハイブリス・アーティスティカ キャリバー945
20point / 2persons
●長らくコンプリケーションから距離を置いてきたように見えたジャガー・ルクルト。しかし、鳴り物、天文、精度という方針を打ち出し、コンセプトのはっきりした複雑時計をリリースするようになった。本作は機構だけではなく、工芸的な面白さも十二分に盛り込んだものだ。(広田)
7位 パテック フィリップ/カラトラバ 5226
21point / 2persons
●ザラリとした感覚と味わい深いグラデーションがついた、特殊な文字盤の仕上げが魅力。インデックスにも蓄光塗料を塗布して暗闇での視認性を高めており、徹底的にスポーティーに仕上げている点にも好感が持てる。 (名畑)
6位 パルミジャーニ・フルリエ/トンダ PF GMT ラトラパンテ
28point / 3persons
●トンダ PF自体が好きなのだが、今年はふたつの時針を使った旅時計が登場。シンプルで実用的な機構に引かれた。(篠田)
5位 カルティエ/マス ミステリユーズ
38point / 2persons
●ローター自体にムーブメントを内蔵するという、かつてない機械式時計。理論上は不可能ではないが、これを製品化したカルティエには敬意を表したい。トリッキーな構造に見えるが、操作感は悪くなかったし、サイズも現実的。今後の生産継続を切に願いたい。(広田)
4位 エルメス/アルソー ル タン ヴォヤジャー
46point / 3persons
●な、なんだこのダイアルのワンダリングは! 奇想天外なタイムゾーン表示は視覚的にも斬新で、旅が楽しくなりそう。(菅原)