終息しない新型コロナウイルス感染症の蔓延や、現在も続くロシア・ウクライナ間の戦争など、さまざまな面で世界情勢が不安定だった2022年。そんな中でありながら、時計ブランドは魅力的な新作を次々と発表し、愛好家の胸を躍らせた。今回は「2022年 記憶に残った傑作時計」をテーマに、2022年発表モデルから傑作・秀作を厳選。日本が誇るグランドセイコーの「Kodo コンスタントフォース・トゥールビヨン」が堂々の1位を獲得し、ヒストリカルピースを再解釈したヴァシュロン・コンスタンタンの「ヒストリーク・222」がそれに次ぐ結果となった。
2022年 記憶に残った傑作時計
10位 ロレックス/オイスター パーペチュアル ディープシー チャレンジ
16point / 2persons

●1万1000m防水というスペック! ついに究極のモデルを完成させた技術を支える、ロレックスの意地とプライドに脱帽。2022年ダイバーズウォッチ大賞。(菅原)
9位 リシャール・ミル/RM UP‐01 フェラーリ
18point / 2persons

●ケース+ムーブメントという従来の構造で、厚さ2mmを切ったのは奇跡だとも感じる。極薄をかなえる新型脱進機の構造も、見た目はさておき秀逸。エクストラシンはコンプリケーションであることを改めて実感させられた。(髙木)
8位 ブレゲ/マリーン オーラ・ムンディ 5557
20point / 2persons

●待望のモデル。ブレゲの「オーラ・ムンディ」が、初めて旅のテーマに最もふさわしいデザインを得た。2022年トラベルウォッチ大賞。(菅原)
7位 ロンジン/ロンジン ウルトラ‐クロン
21point / 2persons

●1968年に発表された高精度ハイビートの名作を現代に蘇らせたモデル。レトロモダンなデザインが好印象で、C.O.S.C.公認クロノメーターを超える独立試験機関TIMELABの「ウルトラクロノメーター」認定を受けたことも凄い。(名畑))
6位 カルティエ/マス ミステリユーズ
26point / 2persons

●回転するムーブメント自体がローターの役割を果たすという大作。理論上は可能なものを実現したところにカルティエの底力がある。複雑な機構にもかかわらず感触も秀逸。歴史的な意義を考えると再生産希望。(広田)
5位 パルミジャーニ・フルリエ/トンダ PF GMT ラトラパンテ
34point / 2persons

●第2時間帯表示のための機構は数あれど、これほどまでにシンプルかつ機能的なものは初めてだ。(篠田)
4位 スウォッチ/ムーンスウォッチ
34point / 3persons

●高級時計一辺倒のマーケットに差し込んだ新たな光。それぞれの色選びも抜群に現代的で、久しぶりにスウォッチを集めたくなる衝動に駆られた。時計業界ではこれまでもさまざまなコラボが行われてきたが、時計ブランド同士のデザインをテーマにした“本格的な”コラボは初めてに等しい。そういう意味でも非常にエポックメイキングな時計だと思う。(安藤)