【92点】ロレックス/サブマリーナー デイト

2011.11.03

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洗練されたムーブメント。堅牢なロレックス自社製キャリバー3135は、自社製ヒゲゼンマイ「パラクロム・ヘアスプリング」を搭載することでさらに強化されている。

職業ダイバーのための時計という役割

だが、サブマリーナー自体も、プロフェッショナル仕様の時計であり続けることを必ずしも望んでいるわけではない。職業ダイバーのための時計という役割は、1967年以降、サブマリーナーから派生したシードゥエラー、そして、現在はロレックス ディープシーが引き継いでいる。ヘリウムエスケープバルブとより高い防水性を備えたシードゥエラーとその後継機であるロレックス ディープシーでは、ロレックスのトレードマークであるサイクロップレンズが装備されていない。

その代わり、ケースの厚さ12.5mmのサブマリーナーは、3900mの防水性を備えたロレックス ディープシーより5mm以上も薄い。その恩恵により、サブマリーナーはフラットで、エレガントな印象に仕上がっている。それでもなお、サブマリーナーは300mの防水性を備えているので、ダイビングにも十分、使用することができる。ロレックス独自のトリプロックリュウズも、ダイバーにとっては実用的な機能である。合計5個のパッキンが装備されたトリプロックリュウズは、湿気を確実にシャットアウトできる。海水に強い904Lスティールがケースとブレスレットに使用されているのも、ダイバーとしては心強い。また、逆回転防止ベゼルはダイビングに適しているだけではない。時間を分単位で把握することができるので、ベゼルのスケールにある三角マーカーを分針に合わせておくだけで、パスタをすでに何分ゆでたか、あるいは、どのくらい駐車しているかを簡単に読み取ることができる。30秒ごとに噛み合うベゼルは回すのが快適である。噛み合うと、まるで金庫のダイアル錠を合わせているかのような心地よい音を立てるので、理由がなくても回したくなるほどである。

ベゼルの黒いスケールリングには2010年以降、セラクロムと呼ばれるセラミックスが採用されるようになった。この素材は、表面の硬度が極めて高いことから、傷が付く心配がほとんどない。すぐに見劣りしてしまっていた先代のアルミニウム製ベゼルに比べると、大きな進歩である。セラクロムベゼルの数字とインデックスは、硬化する前のセラミックスに原子化したプラチナを蒸着させ、研ぎ上げたもので、ふくらみを持たせた高級感あふれるゴールド針やゴールド製アプライドインデックスとよく似合う。興味深いことに、サファイアクリスタルはそれほど隆起しておらず、旧モデルよりも風防の縁を衝撃などから防護しやすい。

ロレックス ディープシー同様、新型サブマリーナーにも夜光塗料「クロマライト」が採用されている。クロマライトは青く発光し、発光力がスーパールミノヴァよりも格段に強い。青は上品で高級感があり、サブマリーナーが暗所でも良好な視認性を発揮するのに貢献している。12時位置のトライアングルインデックスと6時位置と9時位置のバーインデックスは、時計の向きを確認するのに役立つ。ベゼルのゼロ位置に配されたドットは明るく発光し、暗所での動作確認のため、秒針にも夜光塗料を塗布したドットが付けられている。