搭載キャリバーのHUB1201はメカニズムを見せることを第一に開発された。
機能はシンプルだが、ロングパワーリザーブのため構造は複雑だ。
機能はシンプルだが、ロングパワーリザーブのため構造は複雑だ。
価格の理由を探る
このビッグ・バン メカ-10 チタニウムの価格は211万円。第一印象ではクロノグラフのビッグ・バン ウニコよりも高額なことが不思議に思えるかもしれない。
メカ-10のコンセプトは、裸の機械を見せるということ自体を矛盾なく美的に置き換えるということだ。それならばウブロは今までにデザイン構成でかなり成果を上げてきただけに、より機能を絞ったムーブメントを使用したほうがパーツの多いムーブメントより可能性は広がるだろう。それでこそ、構造美が冴える自社オリジナルのテンプのデザインも効果を発揮するというものだ。ほかのブランドでもシンプルな機能のムーブメントで機械を見せるデザインはあるが、それらと比較した場合、メカ-10の価格は抑え気味でもある。多要素を合わせたケースと設計技術の高さが美に直結した10日巻きの自社製ムーブメント、ならびにクォリティの高い加工仕上げを考えると、価格は妥当なところだろう。
この時計を小さなタイムマシンに見立てると、いつでもタイムワープができそうな気さえするのも愉しい。じっと見つめていると、少なくとも我々がかつて空想していた機械式時計の未来が、もうすぐそこまで迫ってきていることを感じられるだろう。