2021年新作時計から厳選！BEST BUY WATCH／ダイバーズウォッチ編

ダイバーズウォッチに求められる機能は、精度、防水性、堅牢性、耐久性、視認性、操作性、装着感など多岐に及ぶ。深海という過酷な環境下ではどれひとつ欠けても致命的であり、絶対的な信頼を寄せることはできない。そうした中で、道具としての機能は目覚ましい進化を遂げてきたといえよう。そして深海は宇宙と同様、古くから人類が到達を目指した未知の領域だった。だからこそ、日常生活においてはたとえオーバースペックであったとしても、僕らはこの道具的価値に魅せられ、無条件にロマンを感じてしまうのだ。

『クロノス日本版』編集長がアドバイス！
ダイバーズウォッチ選びのポイント

「これぞスポーツウォッチ」といったデザインを持つのがダイバーズウォッチだ。高い防水性能と頑強なケースは、タフな環境でも安心して使うことができる。また、ケースの加工技術が進化したため、近年は薄くて防水性の高いダイバーズウォッチも増えてきた。

選ぶ際のポイントは、どういう状況で使うのかを考えること。薄くなったとはいえ、一部のダイバーズウォッチはまだシャツの袖に収まらないほどの厚みを持つ。スーツに合わせたい人は、薄いものを買ったほうがいいだろう。また、時計をぶつけがちな人は、ベゼルにセラミックスや硬い素材を使ったモデルを選ぶこと。普通の時計と同じ感覚で着けると、どうしてもベゼルに傷が入ってしまうからだ。

今買うべき“ダイバーズウォッチ”17選

チューダー「ブラックベイ セラミック」

スイス連邦計量・認定局（METAS）が定める厳しい基準をクリアしたマスター クロノメーター仕様のダイバーズウォッチ。新キャリバーMT5602-1Uは、最大で1万5000ガウスの磁力の影響を受けない高い耐磁性を持つ。レザーとラバーのハイブリッドストラップは付属する写真のファブリックストラップに交換可能。

ブランパン「フィフティ ファゾムス バチスカーフ チタン」

シティーユースに対応すべく1956年に誕生した「バチスカーフ」を現代的に再解釈したシリーズ。最新作はケース素材にグレード23のチタンを採用。これはグレード5のチタン合金をベースに、より純度を高め、耐食性を強めた医療用だ。

セイコー「プロスペックス マリーンマスター プロフェッショナル 1986 クオーツダイバーズ 35周年記念限定モデル」

セイコーが1986年に発表した、同社初の1000m飽和潜水用ダイバーズウォッチの誕生35周年を祝うアニバーサリーモデル。基本的なデザインはオリジナルから変わっておらず、特徴的な外胴プロテクターには高硬度のジルコニアセラミックスが採用された。

ロンジン「ロンジン レジェンドダイバー」

ヘリテージモデルの中で人気の高いレジェンドダイバーに追加された新たな選択肢。ブラウンのグラデーションを施した艶のある文字盤にアイボリーのインデックスを重ね、高い視認性を確保した。カーフのレザーストラップが、ヴィンテージ感を高めるのに一役買っている。

オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク オフショア ダイバー」

誕生以来高い人気を誇るオフショア ダイバーが、約10年ぶりにモデルチェンジされた。シンプルな“APロゴ”に刷新されたほか、文字盤のメガタペストリーもよりシャープな印象に。ふたつのリンクで固定されるストラップの交換システムも斬新だ。

オメガ「シーマスター300」

2021年に刷新されたシーマスター300は、1957年のオリジナルモデルが持つ要素を受け継ぎつつも、細かな変更が加えられた。サンドイッチダイアルを採用し、風防の形状を見直して薄型化に成功。ベゼルがわずかに細くなったことで文字盤が拡大し、視認性も向上した。

ユリス・ナルダン「ダイバー クロノメーター」

海を思わせる深いブルーと、ベゼルをはじめ随所に配されたゴールドとの対比が美しい、品格高いダイバーズウォッチ。ユリス・ナルダンのお家芸であるシリコン技術を取り入れた脱進機を備え、クロノメーターという名にふさわしい精度を維持する。

ボール ウォッチ「エンジニア ハイドロカーボン サブマリン ウォーフェア ブラック MOP」

MOP文字盤の日本限定モデル。耐衝撃性を高めるスプリングロック耐震システムやセーフティロック・クラウンシステム、高耐磁性能を実現するインナーケースなど独自技術を採用。

エドックス「スカイダイバー ネプチュニアン オートマティック」

スイス軍のパラシュート部隊から依頼を受け、製作された軍用時計の復刻版。厚さ3mmの風防が堅牢性を高め、1000mもの防水性能を誇るプロ仕様だ。ブルー文字盤のグラデーションが海を想起させる。

オリエントスター「ダイバー 1964」

1964年に発表されたファーストダイバーの復刻モデル。立体的なカットインデックスやアロー型の針、シャープなラグなどの意匠を残しながら、あらゆる点でスペックアップされた。

ジン「U1.DS」

シンプルな表示と1000mもの防水性能を持つ「U1」。文字盤にスクラッチ加工を行った限定版は、さまざまな光のニュアンスをとらえて反射する。ツールウォッチながら、手作業の温かみが感じられる。

オリス「アクイス デプスゲージ」

アナログの水深計を搭載した数少ない腕時計で、旧作からアップデートを施したアクイス デプスゲージの第2世代モデルだ。風防の12時位置に開けられた穴から水が入り、文字盤上のスケール内の空気を圧縮させることで、ダイビング時の水深を計測できる画期的な仕組みは特許を取得している。

カール F. ブヘラ「パトラビ スキューバテック モルディブ」

カール F. ブヘラとマンタの保全活動を行う非営利団体「マンタトラスト」との長期的なパートナーシップを記念したダイバーズウォッチ。本作の売り上げの一部は同団体に寄付されるため、絶滅の危機に瀕するマンタの保護活動を支援することにつながるのだ。

シチズン「プロマスター メカニカル ダイバー 200m」

立体的で凝った造形の回転ベゼルが目を引く、シチズンの新作群で異色のダイバーズ。大半のプロマスターにエコ・ドライブムーブメントを搭載する中、本作は機械式。独自の表面硬化技術「デュラテクト」を施したケースは、大型ながら軽量だ。

タグ・ホイヤー「アクアレーサー プロフェッショナル300 Ref.844 トリビュート」

1978年に製作されたダイバーズウォッチRef.844をモチーフにした、限定のトリビュートモデル。ブレスレットの長さを最大15mmまで延長できる、バックルの微調整システムを備えている。

ハミルトン「カーキ ネイビー スキューバー オート」

ベゼルリングにセラミックスを採用。さらに搭載する自動巻きCal.H-10には衝撃と磁気に強いニヴァクロン製ヒゲゼンマイを使用するなど、ダイバーズウォッチとしてのツボを押さえる。

ティソ「シースター 1000 オートマティック」

グリーンのグラデーション文字盤が目を引く日本限定セットで、ブレスレットの他にラバーストラップを同梱。約80時間のパワーリザーブを備え、アンダー10万円ながら普段使いに重宝する機能が充実している。

静まり返った水面の上で
張りつめた空気は喜びに変わる？

静かに見えて、白熱の心理戦が繰り広げられている。一瞬たりとも気を抜けない。そんな釣り好きの勇姿を見守る時計は、本格的な200m防水性能にセラミックス製の外装という頼もしいもの。岩場や狭い船上でも気兼ねなく使えるのがうれしい。そして竿に伝わる“当たり”で、その緊張感は最高潮に高まるのだ。