クロノグラフがいちばん好き、という時計好きはきっと多いだろう。
なにしろ、クロノグラフは機構が複雑であり、見た目も複雑。そんなメカニカルなイメージが大きな魅力だ。
もちろん、もっと複雑な機構のトゥールビヨンやミニッツリピーターなどもあるが、しかしダイヤルに配されたインダイヤルや、それらに付いた何本もの針、細かな目盛り、プッシュボタンなど、クロノグラフの見た目の複雑さは他を寄せ付けない。そのためクロノグラフは、もっともメカニカルな時計、ということができる。だからそもそも機械好きの多い時計好きには、やはりクロノグラフは特別なのだ。
また、クロノグラフは「操作できる」というのが素晴らしい。時計は通常「時間を見る」だけで、自分で操作可能などというのはクロノグラフぐらい。そんな「機械然」としたところも、他を寄せ付けない、クロノグラフの大きな魅力で特長だ。
そして今年もそんな魅力を備えたクロノグラフの新作が多数登場。その選りすぐりの5本をご紹介しよう。
第5位
ノルケイン「フリーダム 60 クロノ オート」
直径43mm
自動巻き(Cal.NN18/ETA 7753)
27石
2万8800振動/時
100m防水
SS
44万円(税別)
ノルケインは今年1月に世界展開を開始したばかりのスイス・ビエンヌの新しいブランド。しかし全コレクションにスイスの伝統である機械式ムーブメントを搭載させるなど随所が本格派のつくりで、有名時計店が次々と取り扱いを始めるなど、いまもっとも注目を集める存在でもある。これはそのクロノグラフでドーム型風防などヴィンテージテイストが格好いい。
第4位
エドックス「クロノオフショア1 クロノグラフ オートマチック ファーマメント シートゥースカイ リミテッドエディション」
直径45mm
自動巻き(Cal.011)
25石
2万8800振動/時
500m防水
SS
世界限定135本
予価45万円(税別)
エドックスは今年創業135周年。それを記念し「SEA TO SKY」をテーマに、自動巻き1型、クォーツ2型、全3型の特別限定作を発表。これはそのトップモデルの自動巻きクロノグラフでケースやダイヤル、ストラップなどが空を思わすブルーにされているのが特徴。創業135年にちなみ「1」「3」「5」のインデックスにダイヤモンドが飾られている。
第3位
オーデマ ピゲ「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ・クロノグラフ」
直径41mm
自動巻き(Cal.4401)
40石
2万8800振動/時
30m防水
PG
445万円(税別)(ブティック限定)
今年のジュネーブでデビューしたまったく新しいコレクションで「11.59」とは新しい1日の始まる1分前である「11時59分」の意味。丸型と八角形を組み合わせた多層構造ケースなどデザインもこれまでにないまったく新しいもの。また、3針とこのクロノグラフは新開発ムーブメント搭載も大きな特徴。現在はブティック限定だが、いち早い一般販売を望みたい。
第2位
ウブロ「クラシック・フュージョン フェラーリ GT チタニウム」
直径45mm
自動巻き(Cal.HUB1280 UNICO)
43石
2万8800振動/時
10気圧防水
Ti
世界限定1000本
予価233万円(税別)
フェラーリとのパートナーシップモデルの最新作で、これまでの「ビッグ・バン」ではなく「クラシック・フュージョン」というのも見どころ。フェラーリのデザイナーによるまったく新しいデザインが目を惹く特徴。昨年発表された新しい自社製クロノグラフムーブメント「ウニコ」を搭載。LIGA成形歯車の採用など随所が再設計され、より薄くなっている。
第1位
ブルガリ「オクト フィニッシモ クロノグラフ GMT オートマティック」
直径42mm
自動巻き(Cal.BVL 318)
37石
2万8800振動/時
3気圧防水
Ti
192万円(税別)
世界最薄記録を次々と樹立している「オクト フィニッシモ」の、その第5弾となる世界最薄の自動巻きクロノグラフ。ブランド初の自社開発クロノグラフムーブメントはペリフェラルローターの採用によりわずか3.3mmの驚異的な薄さを実現。GMTの搭載も特筆点で、9時位置のプッシュボタンで時針を1時間刻みに進められる実用性の高さも素晴らしい。