THE MASTERPIECES of PATEK PHILIPPE MUSEUM
2001年11月8日、約300人の来賓を招いて華々しく開館したパテック フィリップ・ミュージアム。
自社のコレクションに加え、オートマタやミニアチュールポケットウォッチなど、
ヨーロッパ500年の時計製作史を俯瞰する総計2000点以上のタイムピースを所蔵する。
その中の自社コレクション1005点を収録した本カタログでは実物大の画像とともに、
ムーブメントやスペックが詳細に記載されている。
ここでは、クロノス日本版が厳選したそれら傑作時計のごくごく一部をご紹介する。
スイス・ジュネーブの中心部、プランパレ地区に位置するパテック フィリップ・ミュージアムは2部で構成される。ひとつは、16〜19世紀に製作された歴史的タイムピース。もうひとつは1839年のパテック フィリップ創業から今日に至る自社コレクション。今回のカタログに収録されるのは後者。
永久カレンダー付きシンギングバードボックス
シンギングバードは毎正午、自動的に鳴らされるほか、ボックスの右側のレバーによっても任意に駆動できる。金箔を貼ったシルバー製のボックスには青と黒のエナメルによる幾何学模様のシャンルベが部分的に施される。永久カレンダー搭載。側面には時刻表示(中)に加え、日付表示(右)と月表示(左)が備えられる。横100mm×奥行き65mm×高さ35mm。1865~1867年製。 |
ザ・ケネディ・クロック
オリジナルは1963年、米大統領ジョン・F・ケネディの西ベルリン訪問時、当時の市長から贈られた非売品。ホワイトハウスの大統領デスクに置かれ、旧ソ連時代、クレムリンとの米ソ・ホットラインの際に使用された。中央がワシントン、左がモスクワ、右がベルリンの時刻を表示。クォーツ。横272mm×奥行き115mm×高さ129mm。1965~1966年製。 |
ミニット・リピーター、スプリットセコンドクロノグラフ、永久カレンダー付き
グランドコンプリケーションポケットウォッチ
オープンフェイスの懐中時計に、ふたつのゴングを備えたミニット・リピーター、スプリットセコンドクロノグラフ、瞬時切り替え式永久カレンダーを搭載したグランドコンプリケーション。リュウズ巻き上げ式。ヴィクトラン・ピゲ製のエボーシュを搭載。ローズゴールドケース(直径55.8mm、厚さ19.1mm)。1895〜1897年製。
ワールドタイムリストウォッチ
Ref.2523 HU。左のリュウズでインナーディスクを回転させることで41のタイムゾーンの時刻を表示できるルイ・コティエ発明のワールドタイム機構を搭載。文字盤中央にはヨーロッパを中心にした世界地図がクロワゾネで描かれる。ムーブメントはCal.12-400 HU。イエローゴールドケース(直径35.6mm、厚さ9.8mm)。1953~1954年製。 |
デジタルタイムディスプレイ付きリストウォッチ
Ref.3414。1950年代後半、自動車のタコメーターなどにリニア表示が流行していた時代、ルイ・コティエが角型ムーブメントCal.9’’’-90をベースに開発した時と分をリニア表示するデジタルタイムディスプレイ付き腕時計。シリーズ生産されなかったプロトタイプ。イエローゴールドケース(縦43.8×横27.3mm、厚さ15.8mm)。1958~1959年製。 |
永久カレンダー付きミニット・リピーターリストウォッチ
Ref.3621。1964年製のムーブメントを用いて1988年にケーシングされ、フィリップ・スターン社長(当時)のために作られたという特別な1本。非売品。6時位置で日付、9時位置で曜日、3時位置で月を表示する永久カレンダーと、ふたつのゴングを備えるミニット・リピーターを搭載する。イエローゴールドケース(直径36.8mm、厚さ13.8mm)。 |
アルバート・ピゲ製のエボーシュムーブメントをベースにムーンフェイズ、永久カレンダー、ミニット・リピーターを搭載。ベースムーブメントのテンワはチラネジ付きのモノメタルで、補正機能付きのブレゲひげを備える。高級機械式時計が冬の時代の1980年代に、非売品とはいえ、複雑機構を備えた腕時計を作るあたり、さすがはパテック フィリップだ。
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Contact info: パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター ☎03-3255-8109