新興時計ブランドの中でも、その技術で注目を集めるのがフランク ミュラーだ。フランク ミュラーでは、どのような腕時計を展開しているのだろうか。ブランドの特徴や代表コレクションごとの注目モデルを踏まえながら、フランク ミュラーの魅力に迫ってみよう。
30〜40代の人気を集めるフランク ミュラー
フランク ミュラーは、クラシカルなデザインや機能性によって30代〜40代を中心に支持されている高級時計ブランドである。俳優やスポーツ選手など、数多くの著名人に愛用されていることでも有名だ。
フランク ミュラーはどのような経緯で発展してきたのだろうか。その魅力や特徴を交えて、ブランドの誕生から今日に至るまでの流れを見てみよう。
天才時計師が立ち上げた新興ブランド
フランク ミュラーは、傑出した才能を持つ時計師フランク・ミュラーが、自身の名を冠して立ち上げたブランドである。
スイスのラ・ショー・ド・フォンに生まれたミュラーは、1979年に時計を作り始め、86年にはジュネーブ郊外のジャントゥに工房を開く。そして92年には「FRANCK MULLER WATCHLAND」を設立した。
95年からジャントゥで発展させてきたウォッチランドで自社一貫生産体制を構築し、マニュファクチュールとして広く知られるようになる。
フランク ミュラーの時計には、トノー型のクラシカルなデザインが多い。ミュラーが20代で作り出した「トノウ カーベックス ケース」はブランドの代名詞だ。
ミュラーは3種類の機構をひとつの腕時計に搭載するなど、数々の偉業を成し遂げている。
2023年も精力的に新作を発表
ジャンピングアワー機能付きトゥールビヨンやスプリットセコンド クロノグラフ、ミニッツリピーターなど、フランク ミュラーは数々の複雑機構を開発し続けてきた。
その進化はとどまるところを知らず、2023年も注目の新作を発表している。エレガントなトノウ カーベックス ケースをさらに進化させ、球体を切り取ったように仕上げた「グランド カーベックス」がそのひとつだ。
また、2023年には人気コレクション「ヴァンガード」からも、ケースにダマスカス鋼を採用したモデルを発表している。
カサブランカのおすすめモデル
「カサブランカ」は1994年に発表されて以来、フランク ミュラーのフラッグシップとして愛されている。長く着けるほどに風合いが増す素材と白い手縫いステッチが、ヴィンテージ感を演出するカサブランカ。その中でもフランク ミュラーが初めての人におすすめできる2モデルを紹介しよう。
カサブランカ 5850CASA AC
「カサブランカ(Ref.5850CASA AC)」は、リーフ針を採用しているスタンダードな1本だ。白いステッチが際立つブラウンのレザーストラップを組み合わせ、文字盤には淡いグレートーンを用いることでアンティークウォッチのようなニュアンスを与えている。
ケースサイズは縦45×横32mmとなっており、主張しすぎない大きさのケースが、腕元を上品に演出してくれるだろう。きれいにまとまったフランク ミュラーが欲しい人に、おすすめできるモデルだ。
カサブランカ 6850MCASA OAC
「カサブランカ(Ref.6850MCASA OAC)」は、北アフリカの大地を覆う漆黒の夜をモチーフにしてデザインされたモデルだ。ビザン数字のインデックスはオフホワイトで着色しつつ、さらにステンレススティール製のブレスレットを組み合わせることで、精悍な印象を与える1本だ。
ビザン数字はフランク ミュラーが生み出した個性的な字体だ。動きを感じさせるビザン数字のインデックスがノスタルジックな雰囲気を放ちつつ、視認性も高めている。
このモデルをはじめとする6850系は、俳優やタレントにも多く愛用されている。「これぞカサブランカ」というイメージが強い本作なら、初めてフランク ミュラーを手にする人も満足できるだろう。
トノウ カーベックスのおすすめモデル
「トノウ カーベックス」は、フランク ミュラーの象徴である。三次元の曲線が描く時計は、コレクターである婦人より「自分らしい時計」を作るよう提案されたことから生まれた。
トノウ カーベックのメンズラインには現在、トラベルウォッチである「マスターバンカー」、複雑機構の名を冠した「トゥールビヨン」といったベーシックなモデルの他、2022年にはブランド30周年を記念して作られたシリーズもそろっている。
マスターバンカー 5850MB 5N
「マスターバンカー」は、著名なタレントがスポーツの世界大会で着けていたともされる時計で、知名度が高い。
3つのタイムゾーンを表示できるマスターバンカーは、世界中を飛び回るビジネスマンにも愛用される。すべてのタイムゾーンが、ひとつのリュウズで調整できる仕様だ。
中でもRef.2852MB OACは、シルバーの文字盤にブラックのビザン数字を描いたシックなモデルで、18Kピンクゴールドのケースが優雅な印象を与える。スーツにも違和感なくなじむはずだ。
30th 5850SCDAMNRLTD 3N
「トノウ カーベックス30th」は名前の通り、フランク ミュラーの創業30周年を記念して作られたモデルだ。トノウ カーベックス ケースに市松模様をあしらったダイアルを組み合わせるなど、ブランドの個性を存分に詰め込んでいる。
ラッカーを幾度も塗り重ねることで、他にはない光沢を実現しているのも魅力だ。手に取ってみれば、フランク ミュラーが歩んできた歴史とたしかな技術を感じられるだろう。
マスターカレンダー 5850MC
「マスターカレンダー」はインデックスの内側に分目盛りだけではなく、日付表示のカレンダー機能も備えたシリーズだ。分針、秒針と同色のポインターが指し示す数字を見れば、スマートに日付を確認できる。
Ref.5850MCは、18Kピンクゴールドとブラウンのレザーストラップで、柔らかな色合いにまとめたモデルだ。ビザン数字のインデックスと日付表示に挟まれた分数表示には、差し色となる赤が採用されている。
高級感とエレガンスを存分に堪能できる、選択肢に加えたい1本だ。
グランド セントラル トゥールビヨン CX40TCTR 5N5N
「グランド セントラル トノウ カーベックス(Ref.CX40TCTR 5N5N)」はトゥールビヨン機構を文字盤の中央にレイアウトした、大胆なデザインが目を引くモデルだ。ダイアルにはビザン数字のインデックスに加えて独創的なギヨシェパターンを施し、豪奢な雰囲気を与えている。
自動巻きのムーブメントを搭載し、約4日間のパワーリザーブを実現しているのも実用的。フランク ミュラーの高い技術力を感じ取れる1本だ。
ヴァンガードのおすすめモデル
「ヴァンガード」はフランク ミュラーの中で異色のコレクションと言えるだろう。インデックスに採用されているのはビザン数字ではなく、ヴァンガードのためにデザインされた力強い字体だ。ラグをなくした一体型ケースも相まって、幾何学的な印象が強い。
フランク ミュラーはフェミニンだと感じる人も、ヴァンガードであればマッチするかもしれない。個性的なコレクションから、ふたつのモデルを紹介しよう。
ヴァンガード V45SCDT ACBC
Ref.V45SCDT ACBCは、ホワイトカラーをベースにしたヴァンガードである。ケースサイズは縦53.7×横44mmと、フランク ミュラーの腕時計にしてはかなり大ぶりだ。さらにヴァンガードならではの立体感が、良い意味でマッシブなルックスを作り上げている。
6時位置には日付表示が備わっており、実用性も十分だ。ケースにはステンレススティール、ストラップにはレザーが採用されている。
7デイズ パワーリザーブスケルトン V45S6SQT 5NNR
「7デイズ パワーリザーブスケルトン」はヴァンガードの中でも、ひときわ強い個性を放つモデルだ。名前の通りスケルトン仕様のダイアルから、ムーブメントを鑑賞できる。
ムーブメントが手巻き式という点にも注意したい。自動巻きと違い、リュウズを回してゼンマイを巻き上げる必要があるが、約7日間のパワーリザーブを実現しているなので、週末に巻いておく余裕があるなら、それほど不便ではないだろう。
稀代の時計師が作り上げたタイムピースを腕元に
フランク ミュラーの腕時計は、創立者であるフランク・ミュラーが、時計師としての技術を尽くして作り上げてきたものだ。時計愛好家を引き付けるタイムピースを手に取れば、その魅力を感じられるはずだ。
フランク ミュラーには、カサブランカやトノウ カーベックス、ヴァンガードといった複数のコレクションがある。気に入る時計を見つけて、ミュラーが発展させてきたブランドの歴史を自身の手元で味わってみよう。
参考サイト:フランク ミュラー
https://www.webchronos.net/features/40912/
https://www.webchronos.net/features/55419/
https://www.webchronos.net/features/80986/