【インタビュー】ノルケインCEO「ベン・カッファー」

2024.03.26

創業以来、急成長を遂げるノルケイン。ファウンダーであるベン・カッファーの実弟、トビアス・カッファーを迎えて、同社はますます意気軒昂だ。

三田村優:写真
Photograph by Yu Mitamura
広田雅将(本誌):文
Edited & Text by Yukiya Suzuki (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2024年1月号掲載記事]


ノルケインにビバーとジラルダンがいるなんて信じられない

 ベン・カッファーはこう語る。「幸運なことに、2023年は本当に当たり年だった。ここ2年間の製品はとても良く、非常に競争力がある。今、この価格帯では、多くのメーカーが大きく値上げをしている。そして、リテーラーは今までの時計に替わる新たなブランドを求めていて、それが私たちだと考えてくれている」。加えて、ノルケインには十分な人材が揃いつつある。

「アドバイザーのジャン-クロード・ビバーは、ジュネーブで発表するための大きな原動力になったと思う。つまり、まだ準備ができていないような新しいプロジェクトに踏み出す勇気を与えてくれた。もちろん、彼はとても優秀で挑戦的だ。彼は私に会うたびに、こう尋ねるんだ。今は何にチャレンジしている? と。ビバーはいつもチャレンジングスピリットを奮い立たせてくれるよ」

ベン・カッファー

ベン・カッファー
ノルケインCEO。1988年、スイス生まれ。父はロベンタ・ヘネックスの前オーナーで、20年以上にわたってスイス時計協会の取締役会のメンバーでもあるマーク・ カッファー。2006年、ブライトリングに入社し、スイスとアジアのセールスマネージャーを務める。17年に同社を退社後、ブライトリング前オーナーの一族であるテッド・シュナイダーなどの助力を得て、18年1月にノルケインを創業した。

 もうひとりが、なんと、ジャン・ポール・ジラルダンである。ブライトリングで100%クロノメーターを実現し、ケニッシの工場責任者を務めた彼が、今や、ノルケインのアドバイザーなのだ。

「正直に言うと、ビバーとジラルダンが会社にいるなんて信じられないよ。攻めと守りがいるのだから。アドバイザーとして加わって以降、ジラルダンはずっと品質向上といった非常に重要なタスクに取り組んでいる。本当に素晴らしいことに、ふたりは僕の大きな支えになってくれている。だから僕は超ラッキーなんだ。10年後に、このふたりが僕と一緒に製品を作ることが何を意味するのか、その意味を理解してほしい。高品質で革新的な時計の背後に、ビバーとジラルダンがいることを思い出すだろうね」

ワイルド ワン ゴールド 42mm

ノルケイン「ワイルド ワン ゴールド 42mm リミテッドエディション」
2023年に発表された限定版。ヒット作のケースを、軽量で頑強なノルテックと18Kゴールドのコンビネーションに改めたものだ。ビバー曰く、新時代のアイコン。自動巻き(Cal.NN20/1、ケニッシ製)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18KRG×ノルテック×ラバー(直径42mm、厚さ12.3mm)。200m防水。世界限定99本。217万8000円(税込み)。

 でもなぜ、若いブランドのノルケインが、これほどの人たちのサポートを受けられたと思うのか?「ビバーやジラルダンのようなレジェンドたちはノルケインを見て、ああ、若い世代が使命感に燃えて新たなチャレンジをし、面白いモノを作っている、それなら自分たちがサポートしよううと思ったんじゃないかな。だから5年後に、私たちがやったことは正しいことだったと思ってもらえることを願っているよ」

 そのための課題は何なのか?「急成長しないこと、かな。それが今のところ最大のリスクであり、課題だと思う。私たちには多くの可能性がある。でも長期的に考え、計画することが重要だよ」



Contact info: ノルケインジャパン Tel.03-6864-3876


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