「黒に近い青、あるいは青に近い黒」をコンセプトとしたブルーのケースを持つJ12が登場した。ブルーが表現する厳粛なエレガンスは、シャネルの世界観を反映している。
(右)J12 BLEU キャリバー 12.1(Ref.H10310)
ブラック、ホワイトに続く、ブルーの「J12」。アラビックインデックスモデルとブルーサファイアがセットされたモデルが展開される。“黒に近い青、あるいは青に近い黒”を実現すべく、ブルーセラミックスの開発には約5年を要した。自動巻き(Cal.12.1)。(左)28石、(右)27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。高耐性セラミック×SSケース(直径38mm)。200m防水。ともに数量限定。(左)178万2000円(税込み)。(右)413万6000円(税込み)。
Edited by Yuto Hosoda (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2025年5月号掲載記事]
ブルーをまとった新作「J12 BLEU キャリバー12.1」
シャネルの「J12」が誕生25周年を迎え、ブルーをまとった新作「J12 BLEU キャリバー12.1」が発表された。J12は、シャネルのアイコンに留まらず、セラミックスの色調や質感を引き出して時計デザインに統一感を与えるアプローチとその技術力によって、時計業界における同素材の地位を押し上げたエポックメイキングなモデルでもある。シャネルのモノトーンコーデを象徴するように、初出の2000年にブラック、03年にはホワイトモデルがラインナップされたほか、後年にはそれらを組み合わせた「J12 パラドックス」が加えられたことも記憶に新しい。
そしてJ12の25周年を記念すべく登場したのが、初採用となるマットなブルーセラミックスをまとったカプセルコレクション「J12 BLEU」だ。カラーのコンセプトは〝黒に近い青、あるいは青に近い黒〞であり、厳粛なエレガンスがそこに表現されている。その色調は本作のために調色されたものとなる。男性に人気のフレグランス「ブルー ドゥ シャネル」のブルーとは異なる色合いを持つが、共通点も見て取れる。カジュアルやスポーティーさではなく、あくまでエレガンスに主軸を置く共通した世界観の下で、ファッション、香り、時計といったアイテムでトータルコーディネートを楽しめる点は、シャネルらしいアプローチと言えるだろう。
今回紹介するのは、基本となるアラビックインデックスに日付表示を備えたモデルと、バゲットカットのブルーサファイアをインデックスに用いて日付表示を持たないモデルだ。デザインによって日付表示の有無を変える細やかな調整もまたシャネルらしいのと同時に、J12が人気を集める理由のひとつでもあろう。