クロノス日本版の精鋭?エディターたちが、話題の新作モデルを手に取り好き勝手に使い倒して論評する企画。
今回のテスト機は、ラルフ ローレン「RL67サファリ エイジング ブレスレット 39MM」だ。ケースにエイジング加工を施した前作からさらに、微細なスクラッチを施したエイジング ブレスレットを装着したスポーティな1本である。
ブラックPVDが剥がれたようなニュアンスを表現
ここ数年、時計の世界でもあらかじめ使い込んだ風合いをケースやブレスレットに施した〝エイジング加工〟がちょっとしたブームを見せている。ただその大半が廉価な時計で、高価格帯に属するものは数えるほどしかない。そんな数少ない例外のひとつが、ラルフ ローレンの「RL67サファリ」シリーズであろう。ブラックPVDであらかじめスクラッチが入ったような仕上げと、使い込むほどにエイジングが楽しめるオリーブ キャンバス地のストラップの組み合わせは、サファリの大草原をイメージしたとあって、アウトドアシーンにピッタリな開放感をたたえている。このサファリ シリーズに新しく加わったのが、「RL67サファリ エイジング ブレスレット」だ。ケースは39㎜と45㎜の2サイズ展開。文字盤はディープ チャコールグレーとカモフラージュ柄の2種類がラインナップする。
高級時計におけるエイジングの妙味と、外装の仕上げが素晴らしいというラルフ ローレン ウォッチの実力を試してみたくなった私は、インプレ用として「RL67サファリ エイジング ブレスレット 39MM」を借りることになった。なんだかこの連載を始めたら、次々と新しい時計を身につけることができるようになったので、非常に幸せな気分満載である。
エイジングといっても、ケースやブレスレットに大きく目立ったスクラッチが入れられているわけではない。ブラックPVDがところどころスクラッチでうっすらと剥げたようなニュアンスが全体に施されているのだ。したがって、腕にはめた状態で他の人が「あーダメージ加工が施されているね」とすぐ分かるようなレベルではない。所有者個人がひそやかに楽しむダメージ加工、といったところだろうか。
デザインはとてもマッシヴだ。6つのビスで留められた肉厚のベゼルと、同じくラグとブレスレットの装着部はビスで固定されている。RLのロゴが入ったスクリュウロック式のリュウズは、ケースのサイズに比してやや大きめだ。ヘッドがやや重いため装着した際にある程度の重量感は感じるが、厚みが10.40㎜に抑えられているので、ストレスを感じることはない。