新型コロナウイルス感染症「COVID-19」が時計業界に及ぼした影響をタイムラインで振り返る

FEATUREWatchTime
2020.04.07

3月17日(火)

暦上あまり重要ではない聖パトリックの祝日に、ウブロがニヨンにある生産拠点を閉鎖。再開の目処はたっていない。

3月18日(水)

6月2日から5日に予定されていた時計業界でも有名なラスベガスの「JCK & ラグジュアリー」が、開催時期未定のまま延期される。Showが、開催時期未定のまま延期される。なお、JCKと同時期開催予定だった時計宝飾関係者が出展する「ザ・クチュール・ショー」は運営事務局の「可能性を模索中」というスタンスを表明。

3月19日(木)

スイスに本拠地を置くリテーラー、ブヘラが全世界の店舗をクローズ(2018年に買収したアメリカのTourneauの店舗を含む)。

3月20日(金)

メジャーな時計メーカーのうち、タグ・ホイヤーもスイスの生産拠点と支店をクローズ。

3月23日(月)

スウォッチ グループのCEOニック・ハイエックが、スウォッチ グループの主要マーケットである中国における状況に改善が見られるとして、生産拠点の稼働維持を発表。

3月24日(火)

国際オリンピック委員会会長と日本の首相が7月に予定されていたオリンピック東京大会を2021年に延期するとの共同声明を発表。007映画封切り延期と合わせ、同大会オフィシャルタイムキーパーであるオメガにとっては、マーケティング上大きな痛手となる。ジュネーブ ウォッチ デイズ 2020が8月26日から29日開催へ延期になる。

3月25日(水)

イタリア時計宝飾の大企業であるブルガリは、自身のフレグランス生産で長年パートナーシップ関係にあるICRと協力してハンドクレンジングジェルを10万本寄付し、新型コロナウイルス拡散防止に立ち上がる。ブルガリはCEOジャン‐クリストフ・ババンの「イタリアを象徴するブランドであるブルガリは、イタリア経済に大きな影響をもたらすため、新型コロナウイルスの感染予防、治療、撲滅につながる国の取り組みに寄与する責任があると信じています。フレグランスの専門知識のおかげで、私たちはICR社とともに『消毒剤付きのハンドクレンジングジェル』を生産することができました。私たちが直面する困難な状況に、私たちのノウハウと生産設備で貢献することが私たちの義務であると考えており、ジェルの取りまとめと供給を担当するイタリア市民保護局に感謝いたします」 という声明を発表している。

ブルガリ ハンドクレンジングジェル

ブルガリとICRが生産したハンドクレンジングジェル。

3月30日(月)

バーゼルワールド2020で発表予定だったパテック フィリップの新作モデルすべてが2021年発表へ延期されることが、パテック フィリップを取り扱うリテーラーに伝えられる。

3月31日(火)

ザ・クチュール・ショーの主催者が2020年の開催中止を発表。これによりラスベガスで開催されるふたつの大きなイベント、どちらも開催されないことが決定された。ウブロが工場と小売店を閉鎖し、デジタルブティックに焦点を合わせた「一時的な小売戦略」をスタートさせる。

ウブロは実店舗を閉鎖したまま、デジタルブティックでのビジネスを拡大を目指す。

このタイムラインのを執筆するにあたってWatchPro.comのレポートを参考にさせていただいた。WatchPro.comとその編集長であるロブ・コーダーに謝意を述べたい。