ウブロブランドの長年のファンはGMTプッシャーの長方形の形状が、最近のウニコに採用されているボタンのような丸みを帯びたプッシャーではなく、ビッグ・バン初期のクロノグラフのプッシャーに酷似していることに気が付くだろう。なお、今回ウブロではふたつのプッシャーを同時に押してしまうことを避ける構造を持った、安全なデバイスを作り上げている。
時差のある移動を伴う人にとって「ビッグ・バン ウニコ GMT」シリーズが最高な点は、昼夜表示によって第2時間帯が午前なのか午後なのかが一瞥できる点だ。ストラップとインナーベゼルのカラーに合わせたブルーで表示された夜区間と、ウニコのムーブメントとケースのカーボンファイバーのパターンに合わせたライトグレーの昼区間は、さらにそれぞれ「NIGHT」「DAY」としっかりと文字で明記され、「昼夜」の区別ができるようになっている。
Cal.HUB1251 UNICOはトランスパレントバックから鑑賞可能
この明快なデュアルタイム操作を司る自社製自動巻きムーブメントは、ウブロの自社開発Cal.HUB1251 UNICOだ。このムーブメントはクロノグラフムーブメントであるウニコをベースに、クロノグラフ機構の代わりに特許を取得したGMTモジュールを搭載している。
スケルトン加工が施されたローターや肉抜きされた一部地板や香箱などは、トランスパレントバックから楽しむことが可能である。チタン製ネジで留め付けられたカーボンファイバー製ケースバックはこのモデルのキャラクターによく合っている。
そのマイクロメカニカルな世界をルーペでつぶさに見ていくと、マット仕上げやマイクロブラスト仕上げの地板や、2万8800振動/時で鼓動するテンプ、稼働する音を堪能することができる両巻きのローターとセラミック製ボールベアリングなどが堪能できる。耳に時計を近づけて、すこし腕を動かしてみるといい。金属パーツの稼働音やムーブメントのビートが聞こえてくる。
簡単なストラップ交換を実現するワンクリック構造
多くのビッグ・バン ウニコを筆頭とする近年のウブロ製プロダクトの特徴とも言えるだろう、カーボンファイバー製のラグはラバーストラップと一体型となっている。ストラップカラーはディープブルーで縦にラインが入っている。このストラップはラグ部分に設けられたボタンを押すことで簡単にストラップを外すことが可能な「ワンクリック」機構によって留められている。
今回の新作に合わせられているミッドナイトブルーのストラップは、カーボンを多用したケースとの組み合わせが実に絶妙なので、個人的に交換の必要性を感じないが、ブラックやダークグレイのストラップも似合うのではないか。しかしそれと同時に、文字盤のブルーの部分が置き去りにされた感が生まれるではという懸念もある。
時計を安全に手首に装着するのは、プッシュボタン付きチタン製ダブルフォールディングバックルで、カチッと操作感のある音がするためロックされたのが確認できるため、外出する際も安心だ。
時間を確認する必要がある時まで、シャツの袖下に収まっているような控えめなモデルを探しているのであれば、このモデル、またはウブロというブランドは最適とは言えないかもしれない。しかしユーザーフレンドリーな特徴を備え、なおかつ、ふたつのタイムゾーンの視認性に優れたデュアルタイムウォッチ、それもタイムゾーンの設定が容易で、ストラップ交換も簡単、出張中に巻き上げや調整の必要がないであろう十分なパワーリザーブを持つ自動巻き機構を備えた信頼できる旅の供を探しているのであれば、ビッグ・バン ウニコ GMTカーボンは、次の滞在にうってつけと言えるだろう。
自動巻き(Cal. HUB1251 UNICO)。41石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。カーボン(直径45mm)。10気圧防水。
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