現行モデル
GMTマスターⅡの主な現行モデルをチェックしておこう。搭載されているムーブメントは同じだが、素材やデザインがそれぞれ異なっている。
独自開発の合金を使用 Ref.126715CHNR
自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18Kエバーローズゴールドケース(直径40mm)。100m防水。
2018年、最新世代のムーブメントCal.3285とともに発表されたRef.126715CHNRは、ロレックスが独自開発した18Kローズゴールド合金「エバーローズゴールド」を素材に採用しているモデルである。
ブレスレットはオイスターブレスとなっており、堅牢な構造と快適な装着感を実現している。
ムーブメントには、ロレックスの技術を結集したCal.3285が搭載されている。優れた耐衝撃性と耐磁性を備えているほか、パワーリザーブが約70時間に伸びていることも魅力だ。
文字盤には、高い視認性を誇るブラックダイアルが採用されている。GMTマスターのベゼルカラーとして初めて施された、黒と茶のツートーンは、全体に落ち着きを与えている。
大人の色気漂うコンビ Ref.126711CHNR
自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SS×18Kエバーローズゴールドケース(直径40mm)。100m防水。
前述したRef.126715CHNRと同時に発表された、エバーローズロレゾールモデルのRef.126711CHNR。
Ref.126715CHNRで使われている18Kエバーローズゴールドと、オイスタースチール(904Lステンレススティール)をコンビネーションした素材が特徴だ。
搭載されているムーブメントのほか、ベゼルカラーなどのディテールに関しては、前述のRef.126715CHNRと同様の仕様だ。
鏡面仕上げを施されたバックルは高級感が漂い、大人の色気を放つロレゾールとの相性も良い。インデックスや針の外周部もローズゴールドの輝きを放ち、エレガントなオーラを放っている。
ジュビリーブレスを採用 Ref.126710BLNR
自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径40mm)。100m防水。
2019年に発表されたRef.126710BLNRは、青と黒のベゼルを備えた、通称「バットマン」と呼ばれているシリーズの現行モデルだ。
GMTマスターといえば、赤と青のベゼルが備わった、通称「ペプシ」と呼ばれているシリーズが伝統的だが、近年はバットマンも人気が高い。
また、GMTマスターの定番であり、前作のバットマンにも採用されていたオイスターブレスレットとは異なり、Ref.126710BLNRでは高級感あふれるジュビリーブレスレットが採用されている。
ケースの素材には、優れた耐蝕性を誇るオイスタースチールが使用されている。耐久性も高く、過酷な環境下でも美しさを失いにくい。
左リュウズを備えた Ref.126720VTNR
自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径40mm)。100m防水。
Ref.126720VTNRは、2022年に発表されたGMTマスターⅡだ。セラクロム製のベゼルインサートがブラック×グリーンの配色となったことが既存の同コレクションにとって斬新な点だが、加えてリュウズが9時位置に配された。このリュウズの配置から、ロレックスが左利き向けモデルとうたっているわけではないが、“レフティー”などと称され、大きな話題となった。
特筆すべきは、ムーブメントは他のGMTマスターⅡ同様、Cal.3285を搭載していることだ。同じムーブメントを180度反転させているにもかかわらず、ロレックスの厳格な高精度クロノメーターに準拠し、日差±2秒の精度を実現しているのだ。この高精度はもちろんのこと、約70時間のパワーリザーブや耐磁性能などといった実用性も健在で、左リュウズであっても高性能GMTウォッチというキャラクターは変わらない。
オイスターブレスレット、ジュビリーブレスレットそれぞれのバリエーションが展開されているものの、発表から2年経つ今なおどちらも入手が難しく、しかし一度左の手首に装ってみたいモデルである。
2024年最新モデルの Ref.126710GRNR
自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径40mm、厚さ11.9mm)。100m防水。(左から)154万円、156万9700円(ともに税込み)。
冒頭で記した通り、GMTマスターⅡには多彩なバリエーションが展開されており、2024年にも新作モデルが追加された。ブラック×グレーカラーのベゼルを備えた、Ref.126710GRNRである。
23年に発表された、18Kイエローゴールドを素材に使ったRef.126713GRNRやRef.126718GRNRと同じく、ベゼルのセラクロムインサートがブラックとグレーの配色となっている点が新しい。一方でブラック文字盤にグリーンのGMT針やロゴといった配色は、かつてGMTマスターⅡにラインナップされていたRef.116710LNをほうふつとさせる。
華やかなカラーリングも多いGMTマスターⅡの中では落ち着いた雰囲気で、幅広いシーンで活躍する新作モデルである。
https://www.webchronos.net/features/114914/
往年のGMTマスターを思わせる Ref.126713GRNR
自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SS×18KYGケース(直径40mm)。100m防水。
2023年、イエローゴールドを使ったGMTマスターⅡが、ラインナップに加わった。GMTマスター、およびGMTマスターIIでも採用されてきたイエローゴールド素材。ジュビリーブレスレットと組み合わせることで、GMTマスターの頃の一部モデルをほうふつとさせる、ヴィンテージな趣を備えたモデルに仕上がった。
ベゼルはブラック×グレーという落ち着いた配色となっており、イエローゴールドの華やかさと調和する。
なお、18KイエローゴールドモデルRef.126718GRNRも同時に発表された。
自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18KYGケース(直径40mm)。100m防水。
ラグジュアリーと洗練の Ref.126719BLRO
自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18KWGケース(直径40mm)。100m防水。
2019年にデビューした、ホワイトゴールド製のモデルだ。GMTマスターの歴史を象徴する赤青ベゼルが採用されている。
文字盤には、ブルーダイアルに加え、本物の隕石を加工した美しい模様のメテオライトダイアルが採用される。GMTマスターⅡでこのメテオライトダイアルが使われているのは、Ref.126719BLROのみだ。
ロレックス時計の中でも特別なモデルにしか使われないメテオライトダイアルを採用していることにより、希少価値の高いモデルとして扱われている。
自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18KWGケース(直径40mm)。100m防水。
選び方のポイント
これまで紹介してきたように、GMTマスターⅡにはさまざまなタイプのモデルが存在する。以下に挙げる選び方のポイントを押さえ、迷った際の参考にしよう。
デザインやシーンで選択
主張の強いプロフェッショナルウォッチであるGMTマスターⅡは、落ち着いたカラーのモデルを選ぶことで、ビジネスシーンでも違和感なく装着できるだろう。
黒ベゼルのほか、ベゼルカラーが黒と茶のRef.126715CHNRも、さまざまなタイプのスーツと相性が良い。
スタイリッシュに着用したいシティ派なら、Ref.126710BLNRなどの青黒ベゼルがおすすめだ。GMTマスターの伝統を覆す配色は、クールな男を演出してくれるだろう。
あえてロレックスらしさを出さない時計として、赤青ベゼルを選ぶ手もある。ジュビリーブレスレットと合わせれば、一般的なロレックスのイメージとは一線を画すテイストを出せる。
評価の高いモデルを選択
ジュビリーブレスレットは、ほかのロレックスと差を付けられることが魅力だ。プロフェッショナル系のケースとジュビリーブレスの組み合わせは、ほかのロレックスには見られないデザインである。
ドレッシーで華やかな雰囲気を演出し、特別なシーンで手元を彩る1本として重宝するだろう。GMTマスターⅡのジュビリーブレスレットは、業界でも評価が高い。
黒と青のベゼルカラーも押さえておこう。近年登場したこのカラーリングは、ほかのロレックスのモデルには見られない存在として、業界人から注目を集めている。
ケアとロレックスのサポート
購入した時計を良い状態で長く愛用し続けるために、日々のケアを理解しておこう。保証やオーバーホールなどのサポートについても解説する。
日々の手入れ方法
優れた防塵・防水機能を保つために、時刻や日付を調整した後は、リュウズをしっかりとケースにねじ込んでおくことが重要だ。
素材の輝きを失わないよう、時計は柔らかい布でこまめに拭き、ケースとブレスレットは石けん水と柔らかいブラシで定期的に洗おう。
時計を着用している間は、ゼンマイを巻き上げる必要はない。ただし、数日間着用せず、時計が停止した場合は、着用前にゼンマイを手動で巻き上げる必要がある。
5年保証
すべてのロレックス腕時計は、正確さと信頼性を保証するために、厳しい審査を経て販売にいたっている。
2013年7月1日から15年6月30日までの間に正規購入した時計には3年間、15年7月1日以降に正規購入した時計には5年間の国際保証が適用される。
ロレックスが提供する純正品や付属品以外のものが使われていたり、ロレックスの認可を得ていない第三者により改造などがなされていたりする場合は、保証の対象外となる場合があることに注意しよう。
オーバーホールの内容
ロレックスのアフターサービスでは、主にムーブメントの徹底した調整を実施するオーバーホールを受けることが可能だ。
オーバーホールでは、ムーブメントの分解・洗浄・部品交換・注油・組み立て・タイミング調整などが行われる。
ケースとブレスレットに関しても、消耗していたり傷ついたりした部品があれば、必要に応じて純正品との交換が実施される。防水検査もオーバーホールで行われる。
オーバーホール後には、2年間有効な国際保証書が発行される。ただし、事故や誤操作などが原因で発生した不具合は、この保証の対象とはならない。
系譜を知ることでより詳しく
ロレックスのGMTマスターⅡは、パイロット向けに製造されたプロフェッショナルウォッチの後継だ。独自のムーブメントや資産価値としての高さから、世界中で多くのファンを獲得している。
初期モデルからの系譜を理解すれば、GMTマスターⅡの特徴や魅力をより深く知ることが可能だ。男の魅力を引き立てる、自分に合った1本を探してみよう。
https://www.webchronos.net/features/39335/
https://www.webchronos.net/features/114892/
https://www.webchronos.net/features/114089/