カシオ「G-SHOCK GMW-B5000CS-1JR」
映画「トロン」風の外装を持ったメタル外装のG-SHOCK。カシオ曰く「IP処理を施した後レーザー彫刻を活用した特殊な仕上げ」で”Grid Tunnel（グリッドトンネル）”を表現したとのこと。光発電のほか、電波の受信、もしくはBluetoothと連動して時刻の修正が可能である。なお、曜日言語を英語のほか、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語などに変更可能。マニアならロシア語一択でしょう。ベルトを合わせて167gもあるが、ケースが案外薄いため、装着感は悪くない。なお、大事なことなので強調しておきますと、これは日本製です。山形カシオ謹製。
ティソ「バラード オートマティック」
「ヲレの時計クロノメーターなんですけど？」と言いたければ、これを買うしかない。スイス製の時計で最もコスパが高いであろうティソのクロノメーターが本作。シリコン製のヒゲゼンマイにフリースプラングテンプ、約80時間の長いパワーリザーブに、認定費がめっちゃ高いCOSCのクロノメータームーブメントを搭載して9万5000円。一昔前なら95万円と言われても納得する内容なのに、アンダー10万円の価格は驚異的だ。帯磁しないシリコン製のヒゲゼンマイを使っているため、普段使いをしても精度は悪化しにくいだろう。時計好きはもちろん、時計に詳しくない人への贈り物にもよさげ。（クロノス読者にも少なくない）重度のフリースプラングマニアもぜひ。
オリエントスター「ダイバーズ」
200mの空気潜水に耐えられる、ISO規格準拠の本格的なダイバーズウォッチ。ダイバーズウォッチを作り慣れている、エプソンならではの物堅い新作である。内容を考えると価格は驚異的。質感は相当高く、アンダー10万円の時計とはとても思えない。ケースの厚さもまずまずで、普段使いにも向くだろう。ぶっ飛んだモデルの多いオリエントの中でも、かなりの常識派。ものすごくかっちりした作りで、かつ2019年のグッドデザイン賞を取ったほどの時計だからあまり突っ込めませんw オリエントファンだけでなく、カジュアルに使えるスポーツウォッチが欲しい人にも。
ビクトリノックススイスアーミー「イノックス タイタニウム」
ハードコアなマニアに人気のイノックス。8トンの圧力をかける、-57℃まで冷やした直後に71℃まで温度を上げる、12Gの遠心力にかけるといった、やりたい放題のテストを通ったイノックスは、ひたすら男のロマンに満ちている。文字盤も、耐久性を重視して厚さが1.5mmもある。最近セリタ入りの自動巻きが出たが、まず選ぶべきはクォーツだろう。だってその方が丈夫だから。堅牢さの代償としてケースは異常に重い（133g）が、チタン（タイタニウム）ケースなら問題なし。やり過ぎなぐらいに堅牢だが、こういう時計がひとつぐらいあってもいいだろう。ちなみにビクトリノックスは、カバンの出来も大変に良く、こちらもお勧めだ。ゴールドジム会員様向け？
ベルテ「アヴィアチュール」
時計好きにとっての基本の「キ」が懐中時計用ムーブメントのユニタス6497／98である。このムーブメントを載せた、非常に手ごろな価格の時計がベルテの「アヴィアチュール」だ。同社はクラシカルな懐中時計で知られているが、腕時計にも魅力的なモデルが多い。搭載するのは、なんちゃってではなく本物のスイス製ユニタス6498。直径を46mmと大きくすることで、6時位置のスモールセコンドが適切な位置に置かれている。またケースも304ではなく、高級品に同じく316L製だ。フランスの真面目さが炸裂した時計。値段だって8万円ですから。いや本当にこれはいい時計。なお振動数に注目。
編集部からひとつお願いを......
ここで挙げたモデルのいくつかは直販で買うことも可能です。しかし、可能であれば、時計店で見つけていただければ、と私たちは思っています。実際に触らないと時計の質感は分かりませんし、お金はできるだけ分散した方が、日本のためでもあるでしょう。きっかけは何でも良いですが、コロナが一段落したあとに、近くの時計店に足を運んでみること。本記事がその一助になれば、これに勝る喜びはありません。
