主なラインアップ
「GMTマスターII」の現行6モデルのうち、4モデルに絞って紹介しよう。いずれも耐磁性・耐衝撃性・精度に優れたCal.3285を搭載し、リュウズはトリプロックで高い防水性と防塵性を誇る。大きな違いは素材・デザインだ。
バットマンと呼ばれる 126710BLNR
自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。オイスタースチール(直径40mm)。100m防水。92万8000円(税別)。
2019年発売のRef.126710BLNRは、13年に初登場した青黒のベゼルが特徴的な「バットマン」だ。ブラックダイアルに青いGMT針という組み合わせも心憎い演出である。
前作(Ref.116710BLNR)に採用した3連のオイスターブレスレットから5連のジュビリーブレスレットに変更したことで、ベーシックなオイスタースチール製でありながらエレガントな雰囲気が増している。
最新設計のCal.3285を搭載し、パワーリザーブが約48時間から約70時間(約2日と22時間)へと大幅に向上している点も見逃せない。
エバーローズロレゾールが特徴 126711CHNR
自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。オイスタースチール×18Kエバーローズゴールド(直径40mm)。100m防水。142万3000円(税別)。
2018年発売のRef.126711CHNRは、18Kエバーローズゴールドとオイスタースチールを組み合わせた「エバーローズロレゾール」で上品に仕上げた「ルートビア」だ。
ベゼルは黒茶のセラクロムインサートで、数字と目盛りは乾式メッキとも呼ばれるPVD加工(Physical Vapor Deposition加工)によりエバーローズゴールドで薄くコーティングする。
エバーローズゴールドはプラチナをわずかに含むことで退色しにくくしているため、リュウズやブレスレットのセンターリンク、ベゼルやダイアルを末長く彩るだろう。
メテオライトダイアル 126719BLRO
自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18KWG(直径40mm)。100m防水。384万4000円(税別)。
2019年発売のRef.126719BLROは、一見するとブラックダイアルではない「ペプシ」といった外観だが、ダイアルは「メテオライト」、つまり隕石(Meteorite)を採用しており、ケースやブレスレットは18Kホワイトゴールド製だ。
初代GMTマスター(Ref.6542)と同色の、最もポピュラーな赤青のベゼルでありながら、希少価値の高い素材を用い、非常に高級な仕上がりとなっている。
メテオライトはいわば宇宙由来の天然石であり、その独特な網目模様のダイアルはひとつとして同じものはない。クロマライト ディスプレイの青色発光も神秘的に輝く逸品だ。
総エバーローズゴールドモデル 126715CHNR
自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18Kエバーローズゴールド(直径40mm)。100m防水。368万2000円(税別)。
2018年発売のRef.126715CHNRは、ケースとブレスレットを総エバーローズゴールドで仕上げたゴージャスな「ルートビア」だ。
ブラックダイアルと黒茶のベゼルは18Kエバーローズゴールドの色合いと好相性である。自然にダイアルに目が向くカラーリングで、柔らかい輝きが絶妙に華を添える。リゾートに連れて行くには申し分ない逸品だ。
選ぶ際のポイント
ロレックスの「GMTマスター」は優秀なGMT機能を備える一方、デザインやステータス面でも大きな魅力がある。GMTマスターを選ぶ際のポイントを見ていこう。
使用シーンやタイプで選ぶ
ビジネスシーンで着用するなら、Ref.116710LNなどのブラックベゼルのモデルがフィットするだろう。あるいは、主張が控えめな「バットマン」も候補に挙がる。
ジュビリーブレスレットで着用するRef.126710BLNRであれば、カジュアルダウンした装いに加え、パーティーシーンでも活躍するだろう。
「ペプシ」はカジュアルシーン、「ルートビア」は正装でのパーティーやリゾートシーンに向く。もちろん、どのタイプを選んでもGMT機能を活用できるため、出張や旅行に最適だ。
コンビモデルも人気
コンビモデルとは、18Kゴールドとオイスタースチールを組み合わせた「ロレゾール」のモデルを指す。
たとえば、18Kエバーローズゴールドと組み合わせた現行モデルRef.126711CHNRや、18Kイエローゴールドと組み合わせた過去モデルRef.116713LNなどだ。
GMTマスターは多くのモデルが単色のオイスターブレスレットを採用しているが、人気のモデルではほかのユーザーと被りやすい面もある。無難な選択を避け、コンビモデルを楽しむのもいいだろう。
系譜を知るとより魅力的に
GMTマスターは1955年の登場から実に65年もの歴史があり、「GMTマスターI」「GMTマスターII」ともに4世代のモデルチェンジを経て、さまざまな派生モデルがリリースされた。GMTマスターの系譜を知ることで、現行モデルの魅力がより深く理解でき、過去モデルの価値にも気付くだろう。
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