ブレスレットのコマにも秘密が……
細田「それからこのモデルは、ブレスレットのコマ詰めがすごく楽なんですよ。コマの穴を片側から押すと、ピンが外れる仕様で」
鈴木「ばね棒はずしでできるの?」
細田「はい」
鈴木「そうだったんだ! 一般的なCリングだとハンマーが必要だから、これなら手軽で良い!」
細田「僕が外したコマを持ってきてみましたが、このコマの横の穴を、ばね棒はずしで押してあげると……ホラ、すぐ取れるんです」
広田「おおっ(興奮)! 良いね良いね! 普通の細いピンと違って丈夫にできてるし」
細田「実はフルメタルのG-SHOCKはこの仕組みをよく採用していて、GMW-B5000のフルメタル版も同じ仕様でした。僕はぶきっちょなので最初は時間が掛かっちゃいましたが、慣れたらすごく手早く調節できるようになりました。ジャストサイズで着けると重心が安定するから、より重みを感じずに着けられます」
鈴木「すごくシンプルな構造なんだね。便利だな〜。これは評価高いな!」
広田「高い高い(興奮)。良い」
細田「まさかここまで高評価とは(笑)」
針の仕上げが高まったら、100点満点!?
広田「総合的に見て、メタルモデルが売れるのは納得だね。最近のカシオは時計のパッケージングが良く出来てる! “カシオーク”(GA-2100)もそうだし」
鈴木「パッケージの出来が一層高まって、しかも頑丈だから、タフさを前提に選ぶとやっぱりG-SHOCKになるのは理解できる。コストパフォーマンスも良いし、安心だよね」
細田「ガシガシ使う時計としては、リュウズがないのもポイントですよね」
広田「う〜ん、あとは針だけ‼︎」
鈴木「確かに写真みたいにどアップで見ちゃうと、プレスで打ち抜いてそのまま感はあるね」
細田「まぁ6万円の時計として妥当、って感じですか」
広田「プレスの跡をもう少しだけ均せたら、かなり良くなるかな。とはいいつつも、針のクリアランスが詰めてあるからカッコよく見える」
細田「そうですね。時計の性格的には、針高(時針と分針の隙間)を上げて、針同士がぶつからないようにしてきそうなのに」
鈴木「確かに。これだけ大ぶりな時計にしては針高が相当詰まってますね」
広田「うん。真面目に作ってるのが分かる。それからもうひとつよく考えられている点があって、ショックを受けた時のたわみを計算してあるんです。文字盤に近い時針は、空洞を大きくすることで重さを減らしてたわみにくくしてある。一方で、文字盤から遠い分針はあまり肉抜きしてない」
細田「言われてみると納得! 気づかなかった!」
広田「最後にあともうひとつだけ注文を付けるなら、カシオのプラ成形技術はスゲー良いので、インデックスはもうちょいパリッとした造形ができるかな、と思います。僕はカシオのプラ成形技術には、本当に敬意を持っているので」
細田「ハカセがカシオのプラ成形に感動したきっかけは何なんですか?」
広田「エディフィスを見てびっくりしたのと、カシオは昔からチープカシオでシルバーモデルをプラで作る技術を培ってきたんですよ。あれって金属ケースに見えるけどプラなんですね。以前、なぜプラで作るのか? って関係者に聞いたことがあるんだけど、『どこも金属ケースを売ってくれなかったから』って。売ってくれないから、自前で作ることにしたわけ。そんなこんなでカシオはプラ成形にプライドがあるんです」
細田「なるほど。技術の蓄積があってこその、このフルメタルなんですねぇ」
広田「今後、メタルGがもっと売れて価格を上げられるなら、より質感が高まっていくんじゃないかな。現時点でも、下地がポリとは分からないほど文字盤は良いけどね。気を遣うべき場所を心得てる。ホント、うまいよねぇ……(しみじみ)」
鈴木「言われてみるとそうだなぁ。現時点ですでに、フルメタルに対してプラ成形のバランスが取れてる。これで文字盤が安っぽかったらこのデザインは成立しないかな。今後に期待ですね」
細田「う〜ん、カシオの技術力をまざまざと見せつけられました!」
Contact info: カシオ計算機お客様相談室 Tel.03-5334-4869
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