Q:スイープ運針とステップ運針の違いとは?
2024年1月4日掲載記事
A:流れるように動くのがスイープ運針、1秒ごとに動くのがステップ運針
時計メディアでしばしば見られるのが、「スイープ運針」「ステップ運針」という表現です。一般的に機械式時計は前者、クォーツ時計は後者と言われています。
その違いは秒針の動き。流れるように動くスイープ運針に対して、ステップ運針は1秒または0.5秒ごとに秒針が動きます。
スイープ運針とステップ運針をアニメーション化した。並べてみると、動きの違いがよく分かるだろう。なお、クォーツ式時計の特徴の様に思われがちなステップ運針だが、厳密にはスイープ運針とされる機械式時計も1秒間の振動数分、ステップ運針を小刻みに行っている。
クォーツにステップ運針が多い理由は、バッテリーの持ちを良くするため。元々はセイコーが取り入れたアイデアでしたが、今や世界標準になりました。そのため、ステップ運針を持つクォーツ時計の多くは、バッテリーが切れる直前になると、ステップ運針の間隔を広げて、バッテリーを持たせようとします。
この写真のアーノルド&サン「DSTB」のように、“秒表示の正確さ”と精度の高さを強調すべく、1秒ごとのステップ運針を採用する機械式時計も存在する。
Photograph by Masanori Yoshie
Photograph by Masanori Yoshie
機械式のスイープ運針も小刻みにステップ運針をしている
現在、機械式時計とクォーツ時計を見分ける、もっとも分かりやすい方法となったスイープ運針。しかしながらスイープ運針を持つ機械式時計も、そのほとんどが非常に細かいステップ運針をしているのです。現在、機械式時計で厳密にスイープ運針をしているのは、セイコーのスプリングドライブといったごく一部のムーブメントしかありません。
また機械式時計の中でもわざとステップ運針にして秒表示の正確さを示そうとしたものもあります。もっとも、機械式時計で1秒単位で秒針を動かすには機構が複雑になり、価格も高価になるという問題があります。
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