Q:時計ケースの金メッキが剥げてしまいました。直りますか?
価格を抑えた時計に見られる、金メッキを施したケース。昔のように本物の金を使ってメッキをしている場合は可能ですが、チタン膜を使用した近年多く見られるタイプの場合は再仕上げ不可能です。
2021年12月24日掲載記事
A:昔の時計は直ります
価格を抑えた時計に見られるのが、金メッキを施したケースです。昔の金メッキは傷みやすいため、環境の悪いところに置いていると、剥がれて下地が出る場合があります。一般的に、時計メーカーは普通金メッキの再仕上げをやりませんが、時計修理会社の中には、再メッキが可能なところもあります。しかし、一度メッキを剥がして再びメッキをかけるため、修理費は高く付いてしまいます。そのため、金メッキの再仕上げは、あまりポピュラーではありません。
なお、今の金メッキのほとんどは、金ではなく、チタンの膜を金のように見せた、擬似的な金メッキです。本物の金メッキに比べてはるかに丈夫な上、最近のものは本物に遜色ない色になりましたが、膜が硬くて剥がれにくいため、再仕上げは不可能です。
現代の時計でよく見られるPVDも金属をイオン化して蒸着させる乾式メッキの一種。本物の金をメッキさせる従来の湿式メッキと異なり丈夫だが、再仕上げは不可能とされる。
金メッキや金張りであるかはケースの刻印で判別可能
もし、本物の金メッキを施してある場合、一般的にケースには「GOLD PLATED」などの刻印があります。刻印のない金メッキケースは、擬似的なものと考えて良いでしょう。ちなみに時計・宝飾業界では、1ミクロン(1/1000mm)のメッキは1年で減ると言われています。
また、昔のアメリカ製懐中時計の中には、金メッキではなく金張りをすることで、何十ミクロンもの厚い膜を持つものがあります。こういった金張りのケースの中には、数十年膜が剥がれないことを強調するため、しばしば「Lifetime Guarantee(生涯保証)」の刻印が施されています。
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