4. これはありかもしれない。文字盤を変えた「コンステレーション」
自動巻き(Cal.8900)。39石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。SS(直径41mm、厚さ13.5mm)。5気圧防水。82万5000円(税込み)。
意外な伏兵が、新しいコンステレーションである。ほとんどのモデルはPVD仕上げの鮮やかな文字盤を持つが、ホワイトだけはシーマスター 300Mに同じくセラミックス製の文字盤を持つ。見るべきは日付窓の外周。レーザーカットすることにより、きちんとした「額縁状」の造形が与えられた。シーマスター 300Mからの転用と言ってしまえばそれまでだが、プレーンな文字盤のため、額縁状の造形がいっそう際立って見える。
ホワイト文字盤のモデルは、針とインデックスの仕上げもユニークだ。キスリング曰く「ブルーの仕上げはPVDではなくCVDによる」とのこと。取材時に聞けなかったため理由は推測するしかないが、PVDに比べて、CVDのほうが細部に色が回りやすいため、ではないか。事実、鮮やかなブルーは、針やインデックスの隅々まで施されていた。筆者の知る限り、針とインデックスにCVD処理を施した例は、他に聞いたことがない。もっともその色味はかなり魅力的で、今後オメガは、CVD処理の針やインデックスを増やしていくのではないか。これは、他社にはないオメガのアドバンテージとなるはずだ。
2022年オメガ新作のちょっとした小話
PVDやCVDの採用が示す通り、2022年のオメガは、文字盤に化学的な処理で盛り込むようになった。しかし、その一方で、機構的な改善もやっている。最近オメガは、さまざまな石を文字盤に使うようになった。普通、こういった石はショックを受けると簡単にクラックが入ってしまう。しかしオメガは、石の性質を変えることなく、クラックが入らないような手法で特許を得た。オメガの話を額面通りに受け取るならば、石を使った文字盤も、今後は売りになるだろう。
気が向いたら2を書く予定。
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