大きなケースをコンパクトに見せるデザインの妙
いよいよ着用してみる。大きく厚みのあるケースだが、スーパーチタニウム製であるため、軽量かつ快適な装着感だ。ノンストレスな装着感を実現しているのは、単に素材の軽さだけではなく、サラサラとした肌ざわりのケースバックと、しなやかなウレタンベルトによるところが大きいだろう。ただし、ウレタンベルトは柔らかいことが裏目に出てのことか、剣先を尾錠へ通すことに少々慣れが必要であった。
筆者の腕周りは約16.5cmだが、腕に載せた感覚としては全く違和感がない。ケース幅45.8mmは確かに大きいが、ラグがないため腕にきちんと収まるのだ。ダイバーズウォッチらしく視認性は申し分ない。大型の時分針とインデックスは、濃緑のダイアルとの高いコントラストによって、ひと目で視認することができる。例え暗所であっても、それらに塗布されたスーパールミノバが明るく輝くため、問題なく時刻を確認することができる。
ベゼルは着用した状態でも簡単に回すことができる。軽い力で回すことができるため、不意に何かに擦れて回転してしまうことを危惧していたが、少なくともテスト中において知らぬ間に回転していたようなことはなかった。これは、プロテクターがしっかりと機能しているということなのだろう。
厚いケースの時計で気になることを挙げるとすれば、衣服への引っ掛かりだろうか。レビューを行ったのは、まだ肌寒さが残る3月下旬からの数週間。日によっては上着を手放せないときもあったが、本作は上着を脱ぎ着している際にも、特に気になるような引っ掛かりはなかった。丸みを帯びたケースが効果を発揮しているのだろう。
ツールウォッチの魅力を凝縮した1本
スーパーチタニウム製の軽量な防水ケース、そこに備えられた逆回転防止ベゼルとプロテクター、そして視認性に優れたダイアルを採用した本作は、時計という道具に求められるおおよその機能を網羅しているといっても過言ではないだろう。おまけにエコ・ドライブによって定期的な電池交換も不要であり、必要なときに引っぱり出せばすぐ使える。特に、衝撃や小傷にビクビクしてしまうようなアウトドアシーンでは、この時計を連れて行けば何の気兼ねもなく楽しむことができるはずだ。
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