干場義雅に聞く、クストス着けこなし術。時計に使われる色を拾ってコーディネートせよ！

自分がいる都市にあったファッションを選ぶこと

　また、干場は自身が服装を選択する際に心掛けているポイントをもう1点挙げた。それが自分のいる都市に合わせてファッションをコーディネートするというものだ。

干場：前にイタリア人にエレガンテ（エレガントのイタリア語）とはどういう意味か聞いたことがあるんです。そうしたら「エレガンテ＝ナチュラーレ」って返ってきた。そこでナチュラーレとは？　と聞くと、要するに自然に見えることだと。つまり、それが彼らにとってのエレガントなんですね。

さらに、自然に見えるってどういうことって聞くと、自然の風景に溶け込むことだと教えてもらったんです。自然になじむのがかっこいいんだよと。海でピンクの豹柄ワンピースを着ていても全然なじまない。だから海になじむ紺とかベージュとか白とか、そういう色を使っていくと絵になってかっこいいんだと。

つまり、カメレオンみたいなものなんです。都市で使われている色の中に自分が溶け込む。例えば東京はコンクリートジャングルと呼ばれるぐらいなので、私はグレーのスーツに白いシャツ、黒いタイという装いをよくします。今日（の対談場所である横須賀のスタジオ）だと海がバックなので、空と海のブルーと白い砂浜、そういった風景の色を考えられるかが大事です。それを意識すると、ファッションが風景にはまって、絵になるのです。

クストスは船遊びのようなシチュエーションに溶け込む時計

　では都市に溶け込むことを意識したファッションの場合、カラフルなケースなど、個性の強い時計が多いクストスはどういったシチュエーションの風景にはまるのか。

干場：今手にしている「チャレンジ シーライナー P-S オートマティック レインボー」は、ベゼル一面にカラーサファイアが入っていますけど、これを着けてカプリ島だったりアマルフィーだったり、ギリシャでもいいかもしれませんね。そういったところに行ったらすごくかっこいいですね。

広田：時計好きの人ってどうしてもモノにばかりフォーカスしがちですが、クストスみたいなカラフルな時計を持ってナチュラーレになる場所を探す、みたいなのは面白いと思いました。

干場：瀬戸内海をクルーズする「ガンツウ」って船があるじゃないですか。あれとか乗って瀬戸内で船遊びとか。ゴージャスな船の遊び方をする人が持っていたらかっこいいと思います。

広田：100m防水ですしね（笑）。

干場：そのまま海にも入れちゃいますからね。値段が高いのでなかなか着けて入る勇気はないですけど（笑）。

コーディネートに悩んだら時計の中にある色を取り入れる

広田：今回の干場さんの話を聞いて、特に色に関してのヒントはうちの読者に共有したいと思いました。

干場：どんな洋服を合わせるべきか悩んだら、まず時計の中にある色が何かというのを考えるのがいいと思います。

広田：干場さんの場合って色を選ぶ場合は、先ほどの話にもあったように環境に合わせて選ぶんですよね？

干場：そうですね。東京にいたらグレーのスーツを着るとか意識しています。あとはファッションというのは相手に対する敬意だと思っているので、バイデン米大統領に会うならばバイデン大統領に合ったスタイルでいきますし、それが違う国の首相とかだったらその国に合うようなコーディネートにします。相手に敬意を表することが大切だと思います。

広田：今回は、干場さんのファッション観を知ることができてよかったです。最後に今日の話を踏まえてもう一度、クストスの時計を着けるのに適した格好とはどんなものなのかお聞かせください。

干場：クストスの場合はスポーツウォッチなだけではなく、ラグジュアリーなイメージもあるので、単にスポーティーな格好ではなく、やはりラグジュアリーな格好がいいと思います。