冬のボーナスが出て、時計を購入したいという人も多いはず。でも、機械式時計は高い。ここではそんな人に向けて、お勧めのApple Watchを紹介する。初めてApple Watchを購入したい人とSeries 6以前のモデルを持っている人にはSeries8、特にアルミニウムケースがおすすめだ。
Text by Yuto Hosoda(Chronos-Japan)
2022年12月8日掲載記事
2022年は冬のボーナスが前年比の+2.5%!
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの発表によれば、民間企業(調査産業計・事業所規模5人以上)が支給する2022年冬のボーナスは、ひとり当たり平均39万458円の見通しだという(出典:https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2022/11/bonus_2211_01.pdf)。これは前年比+2.5%の数字だ。
同所のリサーチによれば、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって業績が悪化し、賞与を取りやめていた事業所も徐々に支給を再開しつつあり、加えて、ボーナスを支給する事業所で働く労働者数も増加しつつある。
そんな中で、今年こそは冬のボーナスでApple Watchを購入しよう! と思っている人も多いだろう。今回はそんな方に向けて「今年の冬のボーナスでApple Watchを購入するならば、どのモデルがおすすめなのか」をテーマに、簡単に説明していく。
Apple Watchの現行モデルをおさらい
まず、現行のApple Watchの現行モデルを軽くおさらいしておこう。現状、Apple Watchにラインラップされるのは「Apple Watch Series8」「Apple Watch Ultra」「Apple Watch SE」、そしてApple Watch Series8のステンレススティールケースにエルメス製ストラップと特別な文字盤デザインを組み合わせた「Apple Watch Hermès」の4モデルだ。
Apple Watch Series 8 & Apple Watch Hermès
S8 SiPを搭載したナンバリングモデルの最新作。ケースはステンレススティールとアルミニウムから選べる。リチャージブルリチウムイオンバッテリー。パワーリザーブ約18時間。縦45mmもしくは41mm。GPSモデル:5万9800円〜、 GPS+Cellularモデル:7万4800円〜。
ナンバリングモデルである「Apple Watch Series 8」は、最もベーシックかつ王道のシリーズだ。ケースサイズは縦45mmと41mmの2パターンから選択可能で、ケース素材はアルミニウムとステンレススティールの2種類展開される。
前作にあたるSeries 7からの主だった変更点として挙げるべきは「皮膚温センサーの搭載」や「衝突事故検出」が追加されたことだろう。前者は就寝中の手首の皮膚温を計測し、アプリで記録をできるというもの。このデータや心拍数などから月経周期が予想でき、周期データに乱れが生じた場合は、それを通知してくれる。
後者は自動車での衝突事故に巻き込まれた際、自動で緊急通報をおこなってくれるというもの。これまでにもApple Watchでは運動時に転倒し、その後着用者から反応がなかった場合、自動で緊急通報をしてくれる「転倒検出」機能は有していたが、今回はより大きな衝撃に対してApple Watchが反応するようになった形だ。
重力加速度センサーが最大256Gまでの衝撃を検知し、着用者からの応答がなければ通報してくれるほか、通報先に位置情報を伝えたり、あらかじめ登録しておいた緊急連絡先に連絡してくれたりする。
Apple WatchはSeries 5以降、プロセッサーの大幅な性能アップをおこなっておらず、ウェアネス機器としてのハード的、ソフト的熟成を推し進めてきた。Series 8もその正当な進化系といえる。
Apple Watch Hermèsはいわずもがな、エルメスとApple Watchによる人気コラボレーションシリーズだ。ベースとなるのはSeries 8で、ケースはステンレススティールのみ。ただし、ステンレススティールケースはシルバーとスペースブラックの2色展開になる。
変更点はエルメス製レザーストラップが装備されること、そして専用の文字盤デザインが採用されていること。ストラップデザインやカラーが豊富に用意されているため、お気に入りの組み合わせが見つけられるはずだ。
Apple Watch Ultra
最もプロフェッショナル向けのスペックが与えられたモデル。本格的なダイブコンピューターとして使用可能だ。ケースはチタンのみ。GPS+Cellularモデル。S8 SiP(64ビットデュアルコアプロセッサ搭載)。リチャージブルリチウムイオンバッテリー。パワーリザーブ約36時間。Ti(縦49×横44mm、厚さ14.4mm)。100m防水。GPS+Cellularモデルのみで12万4800円(税込み)。
前述の通り、プロセッサーの大幅改良という分かりやすい進化が見られない近年のApple Watchにおいて、大きな驚きを持って迎え入れられたのが「Apple Watch Ultra」だ。
縦49×横44mmのチタンケースのみの展開で、搭載されるプロセッサーはSeries 8と同様である。最大の特徴は100mの防水性能と専用アプリケーションの搭載によって、本格的なダイブコンピューターとして使用できるようになったことだろう。
加えて−20℃〜55℃での動作温度に対応するなど、エクストリームウォッチ顔負けの頑強さも持つ。
従来のApple Watchと比べてひと回り以上も大きいケースサイズは、購入者が躊躇するポイントかもしれない。しかし、ラグレスのApple Watchは構造上、縦の49mmはそのまま全長49mmということになる。
全長49mm、幅44mm、厚さ14.4mmのダイバーズウォッチと考えれば、サイズ感としては妥当だろう。加えてケース自体はチタンな上、専用に設計された3つのストラップも軽量なため、装着感は良好だ。ケースサイズが大きいため、バッテリー残量も長くなっている。
また当然、Retinaディスプレイのサイズはシリーズ最大となる。大きなディスプレイはアクティビティ時のマップ表示などでその力を発揮してくれるに違いない。シリーズ唯一の最大2000ニトと明るい輝度も利点のひとつだ。
Apple Watch SE
廉価モデルの第2段。しかし、プロセッサーは他のモデルと同様にS8 SiPだ。ケースはアルミニウムのみ。リチャージブルリチウムイオンバッテリー。パワーリザーブ約18時間。縦44mmもしくは40mm。GPSモデル:3万7800円〜、 GPS+Cellularモデル:4万5800円〜。
Apple Watch SEは廉価モデルながらSeries 8と同じプロセッサーを積むなど、コストパフォーマンスに優れたモデルだ。ケースはアルミニウムのみの設定で、縦44mmと40mmのふたつから選択できる。
Series 8と比較して最も見劣りするポイントはディスプレイだろう。ベゼル部分が広いため表示範囲が狭くなっており、また、常時表示にも対応していない。腕時計好きが腕時計として着用することを考えた時に、常時表示の有無はかなり大きなファクターだ。
他にも血中酸素ウェルネスアプリや心電図アプリへの非対応などが挙げられるほか、Series 8で新たに追加された皮膚温センサーも搭載されていない。とはいえ、プロセッサーの処理能力は最大で4倍近い価格差があるUltraと遜色なく、フィットネス用途として使用するには十分すぎる内容だ。