オメガ独自のダイアルも魅力
ダイアルの仕上げも新作の見どころだ。メディア向け内覧会でもルーペで見て感心したのだが、ランダムな縦模様と放射状のサンブラッシュ仕上げを施したオメガ独自の「2-in-1」フィニッシュは実に興味深い。試着モデルはまた、2-in-1フィニッシュPVDリネンダイアルと称す凝ったもの。ヴィンテージライクなドーム型ダイアルを引き立てる繊細なゴールドカラーは、うまい表現が見つからないけれど、例えば優美な金糸の織物のようなイメージだろうか。
ベゼルに用いられたオメガ独自のセドナ™️ゴールドもダイアルの色調と調和して美観を引立て、時計をいっそうエレガントに見せる。屋内でも外の自然光でも試してみたが、独特の渋いキラキラ感があるダイアルの視認性は申し分ない。
パワーリザーブとスモールセコンドを備えるモデルには、ステンレススティールとカラーダイアルを組み合わせたスポーティ寄りのモデルもあるが、シックでこれぞ大人のプレステージウォッチと思わせるのは、やっぱりゴールドカラーを生かしたこのタイプだ。
ちなみに、2-in-1フィニッシュPVDリネンダイアルのモデルは、ベゼルがセドナ™️ゴールドで、ケース本体はステンレススティールというコンビ仕様になっていて、オメガの価格戦略なのか、同ダイアルでケース全体がセドナ™️ゴールドというモデルは存在しない。
直径40mmオーバーのケースも悪くない
ケースは直径41mmで存在感があり、前世代の「アワービジョン」と同じ。ドレスウォッチとして見た場合やや大型だ。
自分が所有するドレス系シンプルウォッチで出番の多いのは、主にヴィンテージウォッチである。ロンジンの60年代の頃の手巻き2針モデルの場合は直径33mmほど。今からすれば小さいが、これが当時の標準だ。
90年代のデ・ヴィル プレステージも34mmで、オジサン世代にはこれくらいが程よく感じられる。小径で薄いからスーツスタイルの袖口に収まり、しかも控え目で上品に見えることろも魅力なのだった。
だが、41mmも決して悪いわけではない。今はスーツも着なくなったし、ラフなワークスタイル、オン/オフの区別のないライフスタイルには、存在感もあり見栄えもするこうした時計のほうが似合っているように思う。あと付け加えるなら、41mmケースに対してラグ幅は比較的狭く、ストラップも細身でテーパードなので、時計をエレガントに見せるセオリー通りなのは見逃せない。
最近の分厚いレザーでもなく、薄めでしなやかなアリゲーターストラップの装着感も良好だ。
以上が感想だが、実はもう1本気になる別のモデルがあった。それはステンレススティールケースに2-in-1フィニッシュPVDライトブルーダイアルをセットしたモデル。若々しい雰囲気のこちらだったら、またちょっと違った感想を述べたかもしれない。タウンユースの高性能お洒落時計はこれだ! なんて具合に、ね。
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