回転ベゼルの感触は圧倒的
本作は30分単位で動かせる回転ベゼルを持っている。この感触は「オイスター パーペチュアル サブマリーナー」とはまったく別で、バネ力を感じさせないのに、確実に動き、固定される。支持精度はさすがで、回転ベゼルは必ず30分単位の位置に固定される。
ベゼルのトップにあしらわれるのは、ツートーンに色付けされたセラミックス製のプレート。筆者の知る限り、以前のものに比べてベゼルの発色が改善された印象を受ける。あくまで私見だが、ロレックスは微妙にチューニングしているのではないか。
リュウズのガタのなさも、さすがにロレックスだ。現行の時計はどれもガタを詰めているが、ロレックスはさらに詰まった印象を受ける。もっとも防水性を高めるためか、リュウズを回すと、パッキンの存在を明確に感じる。このパッキン感も、他社にはないものだ。
驚かされたのは、リュウズの感触である。非常にスムーズなうえ、時計回り、反時計回りでもトルクはまったく同じだった。日付の早送りはできないが、12時になると瞬時に切り替わるほか、針の逆戻しに合わせて、日付も逆に戻る。日付の戻りには約3時間かかるが、これは十分許容範囲だ。さすがにGMTウォッチの業界標準だけあって、操作系には文句の付けようがない。
文字盤はロレックスおなじみのブラックラッカー仕上げ。ダイヤモンドカット仕上げの針を合わせているにもかかわらず、視認性は良好だった。強い光源下でも、針が埋没することはなく、きちんと時間を読み取れた。ただしベゼルが“強く”なったことを考えると、針は「オイスター パーペチュアル エクスプローラーⅡ」並に太くてもいいかもしれない。もっとも、これは好みの問題だ。
ちなみに、搭載するキャリバー3285の正確な精度については確認しなかった。ただし3日間の携帯精度は+2秒以内だった。これもロレックスの名に恥じないものだ。
相変わらず素晴らしい、ただし入手は難しい
意地悪くテストしてみたが、新しいGMTマスター Ⅱには文句の付けようがない。ブレスレットのエクステンションが弱いのは残念だが、時計とブレスレットのバランスは良く、ケースも薄く(12.1mmしかない)、バックルが短いため、細腕にもよく馴染む。操作系も極度に洗練されているし、精度は申し分ない。
もともと良かったケースの磨きは、2015年以降、さらに改善された印象を受ける。仮に筆者が現行でロレックスを選ぶなら、「オイスター パーペチュアル エクスプローラー」のコンビ、「オイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナ」、そして本作になる。
万人にお勧めできる時計だが、相変わらず入手が困難なのは残念だ。
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