新しいビジネスモデルをゼロから構築!
アイデアとしては前からあった「MY G-SHOCK」。だがその実現は、予想していた以上に大変だった。
何しろ「オンラインのカスタマイズオーダーによるモノづくり」は、「同じ仕様のモデルを大量に効率良く生産する」通常のG-SHOCKの生産とはまったく違う。一般的な効率化の手法が通用しない。
ハッキリ言えば、通常の生産ラインでこのMY G-SHOCKの生産を行ったら、効率が悪すぎてビジネスとして成立しない。成立させるためには、通常モデルとは何倍もの価格を付ける必要があるだろう。この課題を解決しなければこのサービスは実現できない。
このプロジェクトがスタートしたのは2020年の5月。のべ100人のスタッフが関わった。当初から「2021年10月のサービス開始」が決められていたという。つまり17カ月ですべてを整える必要があった。
「何よりも大変だったのは、このサービスのための、まったく新しいビジネスモデルの構築でした。部品の調達から受注システム、その組み立てまで、まったく新しいビジネスモデルと生産体制を構築することになりました」
ビジネスモデル作りに約6カ月、その造り込みに約6カ月。テスト生産とその改善を経て、何とかこのサービスは予定通りに立ち上がった。
オンラインでカスタマイズしてみて感心したのが、カスタマイズのシミュレーション画像が美しいこと。これはヴァーチャル画像ではなく、何とひとつひとつ実際に部品を組み合わせて実物を撮影したのだという。これはとんでもないこだわりだ。また、バンドに通すループを多数用意して、また本数も選べるようにしてカスタマイズのバリエーションを拡げるなど、ディテールで遊べるようにした工夫も光る。
こうした経緯を聞くと、カスタマイズの仕様にもよるが2万円弱という価格設定は「安すぎる」と思う。つまり「MY G-SHOCK」は「超お買い得なG-SHOCK」なのだ。
生産はカシオ山形の専用生産ラインで行われている。ただ生産システム上の制約から1週間の生産数には上限がある。そのため、その上限に到達してしまうと、生産が先送りされるため、納期が先に伸びることがあるという。これは仕方がないことだろう。
「世界に1本、自分だけのG-SHOCK」を作ってみるのも、仲間とデザインを競作してみるのも、また「誰かのためのG-SHOCK」を作ってプレゼントしてみるのも楽しい。さあ、レッツ・カスタマイズ!
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