4位:ウブロ「クラシック・フュージョン クロノグラフ オーリンスキー チタニウム」
正直、装飾的な時計は好きではないが、オーリンスキーは別格。このカクカクしたフォルムが実に魅力的。しかも重厚感たっぷりだが実際、装着するとチタンゆえに超軽量というギャップにも惚れる。
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自動巻き(Cal.HUB1153)。35石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。Ti(直径41mm、厚さ12mm)。5気圧防水。212万円(税込み)。
5位:ロレックス「パーペチュアル 1908」
新作でありながら、すでにタイムレスな魅力が宿る。初代エクスプローラーを思わせるシンプルな飛び数字インデックスのフォント、控え目なフルーテッドベゼル、そしてシースルーバック! どこを見ても惚れ惚れするね。
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自動巻き(Cal.7140)。38石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約66時間。18KWG(直径39mm、厚さ9.50mm)。50m防水。276万8700円(税込み)。
総評
今年も日本国内にいての新作ウォッチングとなったが、いくつかの目立ったモデルはあるものの、全体的に見て、この見本市における新作のパワーは、昔のバーゼルとジュネーブを合わせたものより落ちているように思う。
それはやはり新型コロナ感染症の時代を経て、新作発表の場が春の見本市中心の一極集中から、その新作に最適な時期を見計らっての年間分散型に以降しつつあることの証明ではないだろうか。
したがって「ウォッチズ&ワンダーズ」以前に発表された魅力的な新作もあったし、今後、最適な時期を見据えて、さらなる目玉となる新作が登場することも考えられるはずだ。それは当然だと思う半面、時計見本市の祝祭的側面が消えていくことへの一抹の寂しさも感じる。
とはいえ、ここで挙げた5本以外にも、私の心を踊らせた新作はいくつかあった。そんな新作を今後、それぞれ最適な時期に皆さんに紹介していけたらと考えている。
選者のプロフィール
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名畑政治
ブランド腕時計の正規販売店紹介サイトGressive編集長にして、日本における時計ジャーナリストの第一人者。1994年よりスイスの大規模時計展示会を取材し続け、得た見識は業界随一だ。クロノス日本版では特集記事の執筆のほか、巻末の「Chronos Top10 Ranking」で選考委員を務める。近年は犬派から猫派に転向。共著に「カルティエ時計物語」。
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https://www.webchronos.net/features/93046/
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https://www.webchronos.net/features/94515/