ラギッドな見た目に反して滑らかな質感を持つメタルパーツ
前述のとおり、RECRYSTALLIZED SERIESで初めて取り入れられたのが、再結晶化と深層硬化処理を組み合わせたステンレススティール。これは、ステンレスに1000℃以上の熱処理を行なって結晶模様を浮かび上がらせた後に、炭酸ガスを浸透させる深層硬化処理を施し、硬質層を作り出しつつ、結晶模様も安定させる技術。
つまり素材そのものが硬くなり、耐衝撃性が高まるわけだが、「DW-5040PG」のメタルパーツにおいては、こうした性能もさることながら、ラギッドな質感がG-SHOCKにふさわしいアクセントになっていると感じる。
また、ケースバックにも同様の仕上げが施されているが、エイジングされたような見た目からは考えられないほどその表面は滑らかで、サラッとした肌あたり。ただし試用したのは気候が穏やかな4月の中旬だったので、真夏にはどのような肌触りになるのかは、このモデルを実際に手にしたユーザーに聞いてみたいところだ。
初号機を踏襲した外観と仕様だからこそ、価値がある
他にも、遊環に施された4つの星印や、ケースバックの40周年記念ロゴ、さらには左下のプッシュボタンにも星印を刻印するなど、随所にアニバーサリーを顕彰する意匠を添えており、特別なモデルを手にしているという高揚感を与えてくれる。ちなみに、左下のプッシュボタンに星印を刻印しているのは「アナログ時計の“40”分の位置にあたるから」だとカシオは説明しているが、こうしたセンスにもG-SHOCKらしい遊び心が感じられる。
ケースやストラップの素材、さらには新しい処理を施したメタルパーツの採用など、さまざまなエレメントが現代的にアップデートされているものの、基本的な仕様は初代モデルがベース。そのため、駆動はタフソーラーではなく電池式であり、またBluetoothを用いたスマートフォンとのリンク機能や、それに伴う時刻の自動修正機能もないため、多くの現行モデルと比べると機能面での物足りなさを感じてしまうことは否めない。
ただ、40年前に誕生したG-SHOCKがいかに画期的であり、完成されたデザインであったのかを改めて感じ取るうえで、「DW-5040PG」が初号機と変わらないルックスと仕様で発売されたことの意味は大きい。しかも記念モデルでありながら価格は3万円台なのだから、新旧を問わず、G-SHOCKファンは手に入れるべきだろう。
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