ブルガリ/ブルガリ・ブルガリ

BVLGARI BVLGARI
自社製ムーブメントを搭載モデル [2013]

ブルガリ・ブルガリ Ref.BB41BSLD

ブルガリ・ブルガリ Ref.BB41BSLD
自社製ムーブメントを初搭載したブルガリ・ブルガリ。2000年以降の垂直統合化を反映して、外装の質感もいっそう高まった。最大の特徴は、1975年のブルガリ・ローマと同じラッカー仕上げの文字盤。ブルガリらしいツヤのあるニュアンスを取り戻しており、完成度は極めて高い。自動巻き(Cal.ソロテンポ)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SS(直径41mm)。50m防水。71万円。

 自社製ムーブメントのソロテンポをもって、ブルガリの垂直統合化はひと通りの完成を見た。スウォッチ グループでさえブレスレット工場を持たないことを考えれば、こういった部品まで自製するブルガリの〝純度〟は、スイス時計産業の中でもかなり高い。

 こういった純化の帰結が、2013年の新しいブルガリ・ブルガリである。これは自社製のソロテンポを搭載するだけでなく、ほとんどの部品をブルガリ製で揃えている。

 加えてこの新作は、本質的な部分でよりブルガリらしくなった。一例が意匠だ。04年のモデルで拡大されたインデックスとベゼルは縮小され、オリジナルモデルのような均衡を取り戻した。また文字盤も、1976年のブルガリ・ローマに倣ったポリッシュラッカーに改められた。ブルガリウォッチの象徴とも言えるのがラッカー文字盤である。原点が76年のブルガリ・ローマにあると思えば、ブルガリ・ブルガリへの採用は遅きに失したぐらいである。リュウズに埋め込まれたカボションもまた、オリジナルにはないが、ジェンタのデザイン画には見られるディテールだ。

 原点回帰の一方で、ケースは大きく進化した。装着感を考慮して、ベゼルと風防にはゆるやかな湾曲が与えられている。こういう場合、ケースバックも腕に沿うよう凹面状に曲げられる。しかしあえて凸面状に膨らませた点が、いかにもブルガリらしい。意図は不明だが、おそらく腕との接地面積を小さくして時計の重さを感じさせないため。またそれ以上に、シリンダーケースに特有の平板さを解消したかったためだろう。

 デザインと素材使いがもたらす多様性で成功を収めてきたブルガリ・ブルガリ。しかしブルガリのアイコンは、今や高い〝純度〟がもたらした非凡な完成度をもって、原点に還ったのである。

(左上)幅を狭めたベゼル。併せてベゼル上の刻印もわずかに浅くなった。文字盤は1976年のブルガリ・ローマに同じく、ポリッシュ仕上げのラッカー。その平滑さは、スイス時計産業の中でも一二を争う。とりわけ歪みの生じやすいデイト表示の外周も、フラットに仕上げられた。ブルガリの関係者曰く「ブラックのラッカー文字盤こそが、ブルガリのアイデンティティ」とのこと。また文字盤の外周にはマット仕上げのリングを追加。開口部の大きな文字盤に立体感を添えている。(右上)ラッカー仕上げの文字盤には、ダイヤモンドカットされたインデックスと針が備わる。なおロゴは、印字ではなくシールを転写したもの。その立体感を印字で出すことは不可能と考えれば賢明な選択だろう。
(中)3ピース化されたケース。併せて形状が変更され、バックケースには凸状の面が与えられた。シリンダーケースに立体感を与えるのは難しいが、ブルガリは巧みに盛り込んでみせたのである。
(左下)搭載されたCal.ソロテンポ。端正なブルガリ・ブルガリに合わせるように、仕上げはお家芸のペルラージュからジュネーブ・ストライプに変更された。(右下)短くされたラグ。またベルトとケースの隙間が完全に詰められている。細部は大きく変わったが、全体の印象はあくまでブルガリ・ブルガリである。



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ブルガリの時計を知る。特徴や代表的なモデルをチェック
ローマの歴史とブルガリのデザイン思想の関わりを知り、ブルガリだけが表現し続けている独自の世界に触れてみよう。

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