神戸の名店エスパス ド カミネで、2023年8月26日(土)・27日(日)の2日間にわたってジェイコブ&コーのポップアップストアが開催される。ジェイコブ&コーが生み出す「世界が見たこともないような素晴らしい」タイムピースを、実際に目にすることができるポップアップストアに、時計愛好家はぜひ足を運んで頂きたい。
神戸の名店エスパス ド カミネでジェイコブ&コーのポップアップストアを開催
神戸のエスパス ド カミネで、ジェイコブ&コーのポップアップストアが2日間限定で開催される。
【会場】L’espace de kamine (エスパス ド カミネ)
【住所】神戸市中央区播磨町46 ニッケ播磨町ビル
【会期】2023年8月26日(土)・27日(日)
【営業時間】10時30分~19時30分
【問い合わせ】エスパス ド カミネ Tel.078-325-3600 またはホームページ
ジェイコブ&コーは1986年、ジェイコブ・アラボによって設立されたブランドだ。芸術的なハイジュエリーでたちまち人気を博した同社だが、2002年に時計事業にも参入し、大きな成功を収めている。この成功を下支えしているのは、ジェイコブ&コーの原動力になっている創造性と独自性、そして「世界が見たこともないような素晴らしい作品を生み出す」という欲求だろう。ジェイコブ&コーの腕時計は最先端の複雑機構と自由でダイナミックなデザインを大きな特徴としており、同ブランドが手掛ける唯一無二の作品は、世界中のセレブリティや著名人を魅了してきた。
エスパス ド カミネで開催されるポップアップストアでは、そんなジェイコブ&コーを代表する至高の腕時計を目の当たりにできる。ジェイコブ&コーの腕時計は画像で見ても素晴らしいが、実物の凄まじさをリアルに体験できるというのは、絶好の機会と言うほかない。
いったいどんな傑作を見ることができるのか。代表的なモデルは、「アストロノミア ソーラー ジュエリー プラネット ゾディアック」だろう。
「アストロノミア ソーラー ジュエリー プラネット ゾディアック」
手巻き(Cal.JCAM19)。43石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。18KRG×サファイアクリスタルケース(直径43.40mm、厚さ21mm)。30m防水。5359万2000円(税込み)。世界限定101本。
「アストロノミア」はジェイコブ&コーを代表するスーパーコンプリケーションだ。様々なバリエーションが存在するが、アストロノミア ソーラー ジュエリー プラネット ゾディアックは複雑機構と、ジェイコブカット(288ファセット)を施した宝石によって太陽系の惑星を表現するという壮大な世界観を有する。その一方で設計をゼロから行うことで、直径43.40mm、厚さ21mmというアストロノミアの中ではコンパクトなケースサイズを実現した。
文字盤上には3本のメインアームと、サブアームが配されている。
メインアームにはディファレンシャル・ギアシステム(差動装置)によるセルフレベリング機能付き時刻表示、ローズゴールドとブルーラッカーで仕上げられた地球儀、フライングトゥールビヨンが搭載される。なお、ディファレンシャル・ギアシステムは特許取得技術で、文字盤が12/6時位置を保持する。サブアームにはジェイコブカットの宝石による惑星と、1.5カラットのシトリンで表現された太陽が置かれた。かつてない手法で太陽系が表現された、創造と革新の機械式時計と言えるだろう。
この類まれな世界は、さらに大きなギミックを仕掛けている。メインアームとサブアームは10分で時計回りに1回転し、背景のアベンチュリン製スカイレイヤーは反時計回りに10分で1回転するのだ。アベンチュリンの台座には、カボションカットの貴石の半球体で作られた7つの惑星が添えられる。貴石の種類を述べると、水星はホワイトグラナイト、金星はロードナイト、火星はレッドジャスパー、木星はピータサイト、土星はタイガーアイ(リングは18Kローズゴールドのアップリケ)、天王星はブルーカルサイト、ネプチューンはラピスラズリだ。
搭載するムーブメントは、専用キャリバーJCAM19だ。この手巻きキャリバーは444個のパーツで構成されており、複雑機構を搭載しながらも約48時間のパワーリザーブを有している。
ジェイコブ&コーの傑作モデル、一堂に会する
エスパス ド カミネに集まるジェイコブ&コーの傑作モデルは、アストロノミア ソーラー ジュエリー プラネット ゾディアックだけではない。さらに3モデルを紹介しよう。
まず「ブガッティ・シロン トゥールビヨン ブラックチタン」。本作は、高級車メーカーのブガッティとジェイコブ&コーがパートナーシップを締結したことで誕生したモデルである。「ブガッティを象徴する16気筒エンジンの強烈なインパクトを腕時計で再現する」という、前代未聞と言って良いアイデアから誕生した本作は、まさに絶大なインパクトを有している。
手巻き(Cal.JCAM37)。51石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約60時間。Tiケース(縦55mm×横44mm、厚さ20mm)。30m防水。4620万円(税込み)。世界限定126本。
ダイナミックなブラックチタンケースはブガッティ シロンの流麗なボディラインにインスパイアされており、ムーブメントもブガッティのエンジンブロックから範が取られた。
デザインもさることながら、最大の特徴はエンジン・アニメーションだろう。6時位置に取り付けられたリュウズの右側を押すと、クランクシャフトが回転し、16個のピストンが上下するのだ。さらにエンジンブロックの側面に配された2つのターボチャージャーはエンジンに合わせて回転する。
12時位置にはフライングトゥールビヨンが搭載されているが、ジェイコブ&コー初採用となる、傾斜30度トゥールビヨンとなっている。視覚的に見えやすく、優れたデザイン性に対しても妥協のないジェイコブ&コーらしい仕様と言える。
アニメーション用と時計用のエンジンは異なるが、真ん中のリュウズでいずれの主ゼンマイも巻き上げられるというのは便利な機能だ。リュウズを時計回りに巻き上げると時刻用、反時計回りに巻き上げるとアニメーション用の主ゼンマイが巻かれていく。左側のリュウズは時刻操作用だ。ちなみに9時位置にパワーリザーブインジケーターが配されているが、世界共通のガソリンスタンドマークが描かれた。
搭載するムーブメントは手巻きキャリバーJCAM37だ。ユニークなのが、ムーブメントがケースの中で浮いたような状態で収められており、上下に動くことだ。これはブガッティ シロンに搭載されるショックアブソーバーから着想を得たサスペンションで、内外ともにブガッティ シロンをリスペクトしていることが分かる。
次に「オペラ・ゴッドファーザー ミュージカルウォッチ グレード5 チタン ブラックDLC」である。
手巻き(Cal.JCFM04)。58石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。Ti×サファイアクリスタルケース(直径49mm、厚さ20mm)。30m防水。5359万2000円(税込み)。世界限定88本。
1972年に公開された、フランシス・フォード・コッポラ監督の「ゴッドファーザー」のテーマ曲を奏でるという驚くべきタイムピースが、「オペラ・ゴッドファーザー ミュージカルウォッチ グレード5 チタン ブラックDLC」だ。ゴッドファーザーの製作・配給会社であるパラマウント・ピクチャーズとジェイコブ&コーがパートナーシップを結ぶことで実現した。
本作の特徴は、先述したゴッドファーザー・ミュージカル機構だろう。チャイミング機能は複雑時計の中でも非常に製造が難しい機構の一つだが、ジェイコブ&コーは本作でオルゴール機能を搭載させ、映画のテーマ曲を奏でるのだ。
テーマ曲を奏でるだけでも凄まじい機構と言えるが、動作が壮大でロマンチックであることも特筆すべき点だ。10時位置のプッシャーを押すことで約30秒間チャイムが鳴り、600以上ものパーツが動き出す。その時、文字盤中央に配されたシリンダーが回転するが、36本の歯が黒漆塗りのピアノの鍵盤と接触し、メロディを奏でるのだ。
さらに、ゴッドファーザー・ミュージカル機構が作動している間、文字盤は約30秒で120°回転する。文字盤はディファレンシャル・ギアシステムで、12/6時位置を保持する。
また、主ゼンマイ巻き上げは、ケース3時側に取り付けられた18KRGバイオリン型クランクを広げ、回すことで行う。時刻はケースバックの18KRG製のボウでセッティングできる。
3軸トゥールビヨンの存在感も手伝って、一度見たら忘れられない、芸術的な超絶タイムピースとなっている。
最後に取り上げるのは「ツインターボ フューリアス ブラックチタン」。本作はハイパーカーのツインターボをインスパイアしており、ツイン3軸トゥールビヨン、デジマルミニッツリピーター、モノプッシャークロノグラフ、ピットボード時差計算機を搭載させた、驚くべきスーパーコンプリケーションだ。
手巻き(Cal.JCFM05)。75石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。Ti×フォージドカーボンケース(縦57mmx横52mm、厚さ17mm)。30m防水。8168万円(税込み)。世界限定18本。
まず目に飛び込んでくるのは、2つのダイナミックな3軸トゥールビヨンだろう。繊細に仕上げられたキャリッジはよく目立つが、104個ものパーツで構成されていながら1.15gと非常に軽量なことが特徴だ。1軸は24秒、2軸は8秒、3軸は72秒で回転し、計算された小気味良い動きをオーナーに見せてくれる。両トゥールビヨンの間には、パワーリザーブインジケーターがセッティングされた。
さらに時、分の後に10分間隔でチャイミングするデジマルミニッツリピーターは、シースルーのケースバックから機構を眺めることができる。
加えてピットボート機能にも注目したい。自動車レースで用いられるピットボードに範を得て搭載された当機能では、色付きの回転ディスクと中央のデジタルディスプレイを動かすことで、任意の基準時間を設定できる。
基準時間の設定はリュウズに組み込まれたクランクで行う。モノプッシャークロノグラフを稼働させると、設定した基準時刻と現在時刻の差を容易に読み取ることができるのだ。基準時刻より大きい秒数はピットボードの赤色(+)のトラック、基準時刻より小さい秒数は黄色と緑色(-)のトラックに表示される。
8月最後の週末はエスパス ド カミネへ!
この記事では4モデルを紹介したが、ポップアップストアではさらにジェイコブ&コーの、普段はなかなかお目にかかれない至高のタイムピースが展示されている。8月最後の週末は、エスパス ド カミネに立ち寄ることをおすすめする。
https://www.webchronos.net/news/86934/
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