カシオは、G-SHOCK誕生40周年を記念し、ドリームプロジェクト第2段の「G-D001」を発表した。本作は、AIを駆使して誕生した、18Kイエローゴールド製のユニークピースだ。2023年12月9日から同月10日まで開催されるPhillipsオークションにチャリティー出品される。
AIとの共作によって生み出された、アナログ式の金無垢G-SHOCK「G-D001」
カシオは、2018年のG-SHOCK誕生35周年を記念し、2019年にドリームプロジェクト第1段となる18Kイエローゴールドを外装に採用したG-SHOCKを販売した。ベースとなったのは、アイコニックな「D5000」シリーズだ。高い耐衝撃性が特徴のG-SHOCKに貴金属の外装を組み合わせる試みは、時計愛好家のみならず多くの人々から注目された。
そしてG-SHOCK誕生40周年を迎える今年、同社はドリームプロジェクト第2段として、同じく18Kイエローゴールドをケースとブレスレットに採用したモデル、「G-D001」を発表した。注目すべきは、常に挑戦を続ける同社らしく、第1段モデルと大きく異なるデザインだ。
本作のプロジェクトチームは若手中心。それをベテランチームがバックアップするという布陣である。その結果、新鮮で自由な発想にあふれていながらも、基本である耐衝撃性をしっかりと備えた作品に仕上がっている。
ケースは、ムーブメントが格納された中心部からいくつもの支柱が伸びるような特異なデザインを持つ。これは、AI技術を駆使したジェネレーティブデザインを用いたことによるものだ。
AIには、同社が40年間蓄積させてきた衝撃に関するデータがインプットされており、まずデザイナーがデザインの骨格を作成し、それをベースとして構造強度や素材特性、加工方法を最適化した3DデータをAIが生成する。その後、人の手による修正とAIによる最適化を繰り返すことで、独創的なデザインに纏め上げられている。本作には、G-SHOCK40年の歴史が凝縮されているといっても過言ではないのだ。
ケースとブレスレットの複雑な形状は、ロストワックス鋳造によって仕上げられたものだ。パーツはそれぞれ研磨職人の手によって細部まで磨き抜かれている。トップベゼルやセンターケース、ケースバック、プッシュボタンやバックルは、それぞれの形状に合わせて切削やプレスを行い、個別に磨き分けている。手間がかかる分、シャープな仕上がりを持ち、G-SHOCK持ち前のタフネスと宝飾品さながらのエレガンスが同居する作品となっているのだ。
スケルトンダイアルからのぞくのは、専用設計のムーブメントだ。シリコン製の歯車やルビーの軸受けが採用することで、高精度な運針を実現している。さらに、人工衛星用に実用化されている太陽電池技術を腕時計向けに応用したシステムを搭載しており、これによって従来の光発電クォーツに比べ、発電効率を飛躍的に向上させている。
本作は、2023年12月9日から同月10日まで開催されるPhillipsオークションにチャリティー出品されるユニークピースである。一般に入手することは不可能だが、世界限定1本ゆえに専用の豪華ディスプレイボックスが付属する。ゴールドを主体としたボックスの側面には、歴代G-SHOCKの型番をあしらった透かし彫りが施され、内部のLEDライトによってインテリアにも使えるというものだ。
なお、本作の収益金は環境保護団体に寄付される。
https://www.webchronos.net/comic/34335/
https://www.webchronos.net/features/103223/
https://www.webchronos.net/features/88829/