創業者ミシェル・パルミジャーニの誕生日を記念して発表される「オブジェ・ダール」コレクション。2023年12月2日に発表されたのは、懐中時計『ラルモリアル』だった。
1890 年製の機械式ムーブメントを搭載
オブジェ・ダール・コレクション『ラルモリアル』
細部に渡る配慮と注意深さをもって製作された真の芸術作品として誕生した懐中時計である。ミシェル·パルミジャーニは、つねに非凡な職人技に敬意を払ってきた。伝統的に「黄金の手(Mains d'Or)」と呼ばれる職人を集め、これらの優れた工匠が持てる技術を注ぎ込み、ラルモリアルは完成したのだ。それぞれの職人が、ケースの複雑な彫刻、ケースバックの繊細なエナメル細工、チェーンの細部にわたる加工など、それぞれの分野の専門技能を持って挑んだ傑作である。
手巻き(cal.PF993/オリジナルムーブメントはゴレー·ルルシュ&フィルズによりジュネーブにて製造。製造番号19052)。29石。18000振動/時。パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ・ムーンフェイズ・ミニッツリピーター。パワーリザーブ約30時間。18KWGケース(直径58.2mm、厚さ17.5mm)。ユニークピース。※価格は要問合せ。
プロジェクトのインスピレーションとなった「巨人族の間」
ミラノ·ジェノヴァ·ベニスを戦略的に結んだマントバのパラッツォ·テ。ルネサンス期に建てられ、当時の職人たちによって細部まで装飾がなされた王族の宮殿内の「巨人族の間」は、ルネサンス、建築、自然、そして黄金比などの要素を組み込み、ミシェル·パルミジャーニが情熱を注ぐことに通じるものがあった。ここで受けた感銘を具現化すること、そこからこの作品の構想が生まれた。懐中時計の全てのディテールは、二次元的な原画の表現を三次元的に見直し、思慮深い再考を重ねながら制作された。
エナメル職人ヴァネッサ·レッチのエナメルアート
18K ホワイトゴールド製のケースバックは、荘厳なグラン·フーエナメルで彩られている。マントバにあるパラッツォ·テの床面のモチーフ画が綿密に彫り込まれ、ひとつひとつの彫りには半透明のエナメルで色が付けられた。彫り込まれた形状やその深さの違い、エナメルの透明性と光の反射によって、繊細なニュアンスと特徴的なテクスチャーが生まれ、美しさに深みが増す。
『ラルモリアル』の背面を飾るエナメルの色調は、検討を重ねたパレットからさらに選抜された、イエロー·レッド·半透明のブラウン。パラッツォ·テを所有するゴンザーガ家の紋章をテーマにしたカラーは、時計に芸術的ゆたかさを与えている。それぞれの色調は完璧なバランスで、調和の取れた視覚効果を生み出す。
チェーンメーカー ローラン·ジョリエの芸術
懐中時計『ラルモリアル』のチェーンは、熟練のマスターチェーンメーカーであるローラン·ジョリエの作品だ。ローラン·ジョリエは絶えつつある技能の、最後の継承者のひとりであり、稀少な作品を生み出している。チェーンは手作業で、細部にわたって極めて精密に加工されている。ひとつひとつのリンクは、パルミジャーニ·フルリエ特有の美観とスタイルを保ちながら、最大限の柔軟さと耐久性を確保するため慎重に設計された。
重力に従って優雅に流れる良質で繊細なチェーンには、職人の熟練度が表れている。それは、『ラルモリアル』に気品を与える要素でもある。
彫刻師クリストフ·ブランドニエとエディ·ジャケの彫刻芸術
繊細な彫刻を手がけたのは、熟練の彫刻師であり、国際的に知られるアーティストであるクリストフ·ブランドニエとエディ·ジャケだ。ケースを手がけたのは、クリストフ·ブランドニエで、ハンドルを横断するパターンは、奥行きとテクスチャーの視覚効果をもたらす。
ケースのエングレービングは『岩を打つモーセ』という旧約聖書の一幕を描いた、オートマタのフィギュアが動く懐中時計から着想を得てデザインされた。ケースバンドには、細かく磨かれた刻みと、ゴールドに彫られたパルメットが飾られている。ケースバンドのすべての面が絶妙な精密さで仕上げられていて、クリストフ·ブランドニエが作業工程を通して徹底させる、ディテールへのこだわりを示している。
細部への配慮は、ミニッツリピーターを始動するラッチにも行き届き、ミドルケースと同様に可憐なエングレービングと完璧なディテールで完成されている。ペンダントとリューズのエングレービングも併せて、作品全体の優美さを際立たせている。
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