モリッツ・グロスマンは「37 アラビック」の新たなバリエーションモデルとして「37 アラビック・ヴィンテージ」を発表した。マットな質感を持つ文字盤と、ケースバック側から見ることのできるムーブメントの輝かしい仕上げのコントラストが印象的なモデルである。
手巻き(cal.102.1)。22石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。SSケース(直径37mm、厚さ9.2mm)。予価660万円(税込み)。2025年以降入荷予定。
37 アラビック・ヴィンテージ
ムーブメントの機構とパーツひとつひとつの仕上げには、マニュファクチュールの最高技術が用いられている。モリッツ・グロスマンの職人技が細部に及ぶ時計はどこから見ても完璧な仕上がりと言える。ベルベットのような質感に加え、アラビア数字のインデックス、目盛り、そしてモリッツ・グロスマンが19世紀に用いていた歴史的なブランドロゴを採用した文字盤デザインは、サテン仕上げのステンレススティールケースと調和しクラシカルな印象を与えている。サテン仕上げが施されたステンレススティールケースに合わせ、ストラップにはヴィンテージテイストが際立つブラウンクーズーストラップが採用された。
芸術的なウォッチメイキングと職人技
モリッツ・グロスマンの新しい「37 アラビック・ヴィンテージ」は、時代を超えた美しさを備えた、最新の技術と伝統的なウォッチメイキングを融合したタイムピースだ。マットな質感の文字盤に合わせ、ステンレススティール製のケースにもサテン仕上げが施されている。モリッツ・グロスマンのファーストモデルであるベヌーのデザインを踏襲する、バランスの取れた小ぶりな37mm径のケースは、腕に優しく馴染むことだろう。
クラシックな文字盤デザイン
37 アラビック・ヴィンテージの特徴のひとつは、アンスラサイトカラーが印象的なジャーマンシルバー製の文字盤だ。一枚の地板を熱加工した文字盤表面はざらつきのある質感に仕上げられており、光の反射を和らげマットな印象を強めている。特別な技術で生み出されたテクスチャーはベルベットのような風合いを持ち、見る角度により表情を変える。
アラビア数字や目盛り、そして歴史的な「M.GROSSMANN」のロゴの表面には丁寧にサテン仕上げが施されており、マットなグレー文字盤の繊細な表情を強調している。対照的に、スティール製の自社製針は徹底的に磨き上げられており、光を受け美しく輝く細く繊細な針が時刻の視認性を高めている。
魅力的な自社製ムーブメントCal.102.1
モリッツ・グロスマンのムーブメントは19世紀から続く理念と美学に基づき開発されている。37 アラビック・ヴィンテージには3/5プレートと支柱構造を持つ、直径26mm 、厚さ4mmのクラシカルな小径ムーブメント、Cal.102.1を採用。ケースバック側から見ることのできるムーブメントのプレートには幅広のリブ模様が施され、そこに手彫りで花模様を施したテンプ受けや、ネジ留めされたゴールドシャトンなどの芸術的な仕上げを見ることができる。
職人技と文字盤の完成過程
モリッツ・グロスマンの文字盤が、職人技を用いて製作される過程を写真で紹介しよう。また、ムーブメントがよく見える写真もあわせて紹介する。
モリッツ・グロスマンとは?
モリッツ・グロスマンは 1826年にドレスデンに生まれ、偉大なドイツ人時計職人たちにおいて先駆者とみなされている。若く才能に恵まれた時計職人であったグロスマンは、友人のアドルフ・ランゲの説得により1854年に自身の工房をグラスヒュッテに設立。評価の高い時計企業を運営する一方で、グロスマンは政治的・社会的な活動に努め、1878年にはドイツ時計学校を設立。1885年にモリッツ・グロスマンは突然亡くなり、彼の死とともに時計マニュファクチュールも解体された。
このモリッツ・グロスマンの伝統的な時計作りが2008年に復活した。時計師クリスティーネ・フッターが、かつてグラスヒュッテの時計ブランドであったモリッツ・グロスマンに出会い、その商標を取得し、構想を練り、素晴らしく繊細な腕時計とともに残された120年前のグロスマンの遺産を受け継いだのだった。そして、個人の時計愛好家からの支援によって2008年11月11日にグロスマン・ウーレン社がグラスヒュッテに設立された。
今日のグロスマンの時計師は、歴史的な部分を単に模倣するのではなく、新たな伝統を作り上げている。モリッツ・グロスマンは、革新と卓越した技能を基に、伝統的であると同時に最新の仕上げ技術と高品質の素材を使い、年産わずか350本ながら、時計作りにおける「新しい時代の原点」を創り出している。