「バイオセラミック ムーンスウォッチ」に新たな新作が登場。1965年にNASAの公式装備品となった、オメガの「スピードマスター」をたたえるモデルである。ふたつのカウンター上部の数字が「19」と「65」と並び、スピードマスターがNASAの公式装備品となった、1965年を表しているのだ。ちなみに、文字盤はオリジナルの黒文字盤ではなく、2024年に発売された、つやつやの白文字盤「スピードマスター」をモデルとした、マニア心をくすぐる逸品である。
1965年、宇宙に行った「スピードマスター」をオマージュ
オメガとスウォッチのコラボレーションである「バイオセラミック ムーンスウォッチ」コレクションの新作、「ムーンスウォッチ 1965」が2025年3月1に発売される。この新作は、1965年3月1日にNASAから認定を受けたオメガ「スピードマスター」へオマージュを捧げるデザインだ。当時使用されていたオメガのロゴや針、タイポグラフィ、そして「ドットオーバー90」を反映しこの腕時計はデザインされているのだ。
スピードマスターは1965年の大変厳しいNASAの試験に合格した、唯一の腕時計であった。当時、NASAは宇宙でのミッションのために、応募のあった市販されているクロノグラフウォッチに対して、11項目の連続試験を実施。卓越した精度、信頼性、視認性、使いやすさの観点から、有人宇宙ミッションと船外活動に適しているとして、スピードマスターが見事選ばれたのである。そして1965年6月3日、「ジェミニ 5」ミッションでエド・ホワイトがオメガのスピードマスターを着用し、宇宙船外で20分以上活動したのだ。
1965年を遊び心を込めて表現
オリジナルに忠実であるということが、1965年の“スピマス”へオマージュをささげることを意味しているわけではない。ふたつのカウンター上部に配された数字の左は「19」、右は「65」であり、宇宙へ行った年を表している。なお、下(3時位置)に配されたカウンター内にある「60」という数字も強調されている。1965年から60年という周年を記念しているからだ。
なお、公式発表によれば右の65分積算計は65分で一周する。しかしながら、左の19時間積算計は、1時間でひと目盛り進むのだ。「分」の積算計が一周したからといって、時の積算計の目盛りひとつ分進むというわけではないらしい。
なお、ムーンスウォッチおなじみの蓄光塗料を用いたイースターエッグ的な仕掛けも搭載。左カウンターの「19」、右の「65」、そして下のカウンターの「60」という数字が青色に発光するのだ。
ムーンスウォッチ 1965の裏蓋にはミッションステートメントが刻まれており、文字盤とクラウンにはOMEGA X SWATCHのロゴがあしらわれている。グレーのベルクロストラップが付属。ケースやストラップのカラーとそろえられたステッチが施されている。ケースはスウォッチのこのシリーズではお馴染みのバイオセラミックス製だ。
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文字盤は昨年発売された白文字盤モデルがオリジナル
なお、文字盤の色は1965年のスピードマスターをオマージュしたものではない。2024年に発売された、白文字盤モデルをオリジナルとしているのである。スピードマスターにしては珍しく白文字盤が採用され、なおかつツヤやがきらめく特徴的な文字盤を有したモデルだ。きっとこの腕時計に心を奪われてしまった人も多かったに違いない。白文字盤モデルの「オリジナル」スピードマスターの文字盤とぜひとも比べてみたい新作である。
購入はスウォッチストア1店舗で、ひとり1日1本までである。
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クォーツ。バイオセラミックスケース(直径42mm、厚さ13.25mm)。3気圧防水。4万700円(税込み)。