ドイツ時計ブランドのノモス グラスヒュッテから浮世絵ブルーが印象的な「タンジェント ジャパン ブラウ」から2モデルが3月中旬に発売される。1992年の発売以来、ノモスを代表するアイコニックピース「タンジェント」の日本限定モデルだ。
ベルリンから来た青と日本の浮世絵
日本の浮世絵を代表する絵師、葛飾北斎や歌川広重が愛した青の染料のルーツはドイツ・ベルリンにあった。偶然に発見された科学的な合成顔料で、日本に入ってきたのは延享4(1747)年だったといわれている。従来の植物性の藍色にはない色彩で、「富嶽三十六景」をはじめとする浮世絵に多用された。はるかヨーロッパからやってきたこの青の顔料は浮世絵の技術で描かれる空や波に広がりと奥行きを与える、革新の色となった。
ノモスグラスヒュッテから発売される新作「Tangene Japan Blau」は浮世絵に浮かぶ淡い雲を思わせる乳白色の文字盤に、浮世絵の中で生き生きと描かれる鮮やかな青色をインデックスに、ドイツ伝統の青焼き針が配されている。のちのヨーロッパの有名画家たちにも大きな影響を与えた浮世絵で表現される青は、現代でも侍ブルーなどの言葉が定着するなど、日本人の精神性を表す色となっている。

手巻き。(Cal.α)17石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約43時間。SSケース(35mm、厚さ6.2mm)。3気圧防水。38万2800円(税込み)。限定15本。
Ref.NM139.S53Bはブルー1色で描き切る技法「藍絵」をイメージしてデザインされている。一方、Ref.NM139.S53Rは浮世絵の作品を華やかにし、全体を引き締める「紅」をスモールセコンドに配している。

手巻き。(Cal.α)17石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約43時間。SSケース(35mm、厚さ6.2mm)。3気圧防水。38万2800円(税込み)。限定35本。
ノモスを代表する「タンジェント」は1992年の発売以来、大きくデザインは変更されていない。シンプルを極めたデザインとユニセックスで使用できる潔さが時代を越えて愛されている。特徴のひとつであるラグの長さもあえて手を加えていない箇所である。
「Tangente Japan Blau」は日本限定の証である「TANGENTE SONDERMODEL JAPAN」の文字とシリアル番号が刻印される。ストラップはブルーを引き立てるホーウィン社製のブラウンのへり返しコードバンにディプロイメントバックルが付属する。搭載されるムーブメントはグラスヒュッテで一番多く生産され、最も信頼度の高い手巻きの自社製アルファムーブメントだ。
