ロレックスのミルガウスやIWCのインジュニアなど、耐磁性能が80,000A/mのモデルは他社にも存在するが、衝撃に最も弱いひげゼンマイの耐震性能を軽減する独自システムを搭載して20万円(税別)という価格は良心的だ。7月下旬から全国の正規販売店81店舗で発売開始される。
ボールウォッチのアビエーションウォッチ最小サイズとなるケース径40mmの機械式時計。ボール ウォッチらしいタフな印象のアラビアインデックスとボリュームのある時分針で視認性は抜群。モデル名はアメリカ軍で勇敢だと認められた戦士に贈られる勲章「シルバースター」から名付けられた。
電磁シールドを纏うミューメタル製の耐磁インナーケースを採用。耐蝕性を高める為、ミューメタル合金は銅なしのオリジナル配合を考案した。素材開発に1年かかった末に、8万A/mの高耐磁性を実現し、スマホの磁気(約2万4000A/m)をもシャットアウトする。昨今の時計修理に持ち込まれる「時計が進む」クレーム原因の多くが磁気帯びであるため、病院勤務やマイカー通勤者など、磁気設備が近くにあったり、スピーカーの近くに左手を置く時間が多い職業の人たちは、耐磁性能が高い腕時計が必需品だろう。身近なモノで強力な磁力を発しているのはスマホだから、もっと多くの時計が、耐磁性能をアップしたほうが本当は良いのだが。
「SpringLOCK®」セカンドジェネレーション耐震システムを搭載し5000Gsの耐衝撃性を誇る。日付、曜日表示、針、文字盤に14個の自発光マイクロ・ガスライトを採用。さらに8万A/mの耐磁性を備える。「エンジニアIII シルバースター」。共に自動巻き(Cal.RR1102-SL)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SS(直径40mm)。100m防水。20万円(税別)。
腕時計の様々な部品の中でも特に繊細なヘアスプリングを、ケージと呼ばれる籠で囲むことにより、ヘアスプリングへの衝撃を最大66%軽減するのが、ボールウォッチ独自の「SpringLOCK®」セカンドジェネレーション耐震システムだ。時計に大きな衝撃を与えると、ヘアスプリングがたわんだまま戻らなくなる場合があり、そうなると時計の針は進み過ぎてしまう。さらに衝撃が大きいとヘアスプリングが飛び出して他の部品に引っかかり、果ては動かなくなってしまう。俗に「ヒゲ絡み」と言われる最悪の状態に陥る可能性があるため、ボールウォッチ独自の強固な耐震システムは、精度の安定にもつながっているといえる。
SpringLOCK®は、ひげゼンマイへの衝撃を66%カットして時計の精度を向上させる耐震装置。時計が外部衝撃を受けたときに生成されるエネルギーを「ケージ」が吸収するように設計され、ひげゼンマイを保護する仕組みだ。ボール ウォッチの自社R&D部門「パトリックラボ」にて、耐磁特性の高い素材への改良し生産・組立を自社にて行い、第2世代システムとして生まれ変わった。