伝説的なポルシェ911のデザイナーであるF.A.ポルシェ教授は、1972年にポルシェ・デザインのブランドを設立してすぐ、オールブラックのクロノグラフで時代を超越した傑作を作った。インスピレーションの源となったのは、彼自身がデザインしたポルシェ911のブラックのダッシュボードにセットされた計器だった。計器には運転しながら見るという性質のため、視認性はもちろんのこと、機能性、カーインテリアデザインとしての優位性も求められる。
ポルシェ・デザインは時計の分野において、初のチタン製クロノグラフなど、テクノロジーとデザインを両立させたものづくりをしてきたブランドだ。同社のリストウォッチのデザインにおいて、着目したいのはモータースポーツから着想を得たスポーティーなテイストと、そのカラーリングだ。
ポルシェにおいてカラーは非常に重要であり、それぞれのカラーは車ファンならずとも、レーシングカーやインテリアへの情熱を連想させられる。今回発表された「ポルシェ・デザイン カラー・エディション」もスポーツカーへの愛情によって厳選されたカラーが採用されている。
その特徴的なカラーは「アシッド・グリーン」「レーシング・イエロー」「ガーズ・レッド」の3色である。クロノタイマー・フライバックでは前述の各色をそれぞれまとった3つのモデルが開発。また、モノブロック・アクチュエーターではアシッド・グリーンカラーを用いたモデルが登場している。
どのカラーももともとはスペシャルカーのために開発された色だ。
モノブロック・アクチュエーター
自動巻き(Cal.Porsche Design WERK 01.200)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。Ti(直径45.5mm、厚さ15.6mm)。10気圧防水。120万円(税別)。
モノブロック・アクチュエーターで採用されたのはアシッド・グリーン。この色はハイブリッド・コンセプトカーのスペシャルカラーとして作られた色である。クロノグラフと積算カウンターの針、ファンクション・インディケーター、タキメーター・スケール、アワーマーカーなどのダイアル上のパーツ、そしてブラックレザー・ストラップのステッチに、このアシッド・グリーンが取り入れられている。
クロノタイマー・フライバック
自動巻き(Cal.Porsche Design WERK 01.200)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。Ti(直径42mm、厚さ14.62mm)。5気圧防水。95万円(税別)。
クロノタイマー・フライバックには、スポーティーな雰囲気が漂うレーシング・イエロー、ポルシェ レーシングカーのクラシックなカラーであるガーズ・レッド、アシッド・グリーンの3色がラインナップ。これらのカラーはクロノグラフと積算カウンターの針、クロノグラフのプッシャー、ダイアル、ストラップのステッチに採用されている。
またこれら4つのモデルには、フライバック機能を備えた新しいポルシェ・デザイン製のムーブメントであるキャリバーWerk01.200が搭載されている。C.O.S.C.によって認定されたムーブメントは、ブラックのポルシェ・デザインローターにより自社製であることが見てとれる。
自動巻き(Cal.Porsche Design WERK 01.200)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。Ti(直径42mm、厚さ14.62mm)。5気圧防水。95万円(税別)。
自動巻き(Cal.Porsche Design WERK 01.200)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。Ti(直径42mm、厚さ14.62mm)。5気圧防水。95万円(税別)。
モノブロック・アクチュエーター1モデルと、クロノタイマー・フライバック3モデル、計4つのモデルで構成される「ポルシェ・デザイン カラー・エディション」は、それぞれのカラーが持つ強烈な個性をポルシェ・デザイン的解釈によって、最適なかたちでタイムピース化したものだといえるだろう。