ポルシェ・デザイン、創立50周年を記念する「クロノグラフ 1」の復刻モデルを発表

ポルシェ・デザインは、ブランドの創立50周年を祝した新作「クロノグラフ 1–1972 リミテッド・エディション」を発表した。世界限定500の本作は、ブランドのファーストモデル「クロノグラフ 1」を復刻したモデルで、全体的なデザインは継承しながらも最新の技術で刷新されている。

ファーストモデル、クロノグラフ 1

　ポルシェ・デザインのファーストモデルである「クロノグラフ 1」は、スポーツカーにインスパイアされた時計を創作するという新しい考え方から誕生した。パフォーマンスを重視し、デザインは必要不可欠なものだけを残し、高い機能性と信頼性を中心に構築されたモデルである。

　ポルシェ・デザイン創業者のフェルディナント・アレクサンダー・ポルシェは、ダイアルの最適な判読性と、ムーブメントの堅牢性と正確性、そしてデザイナーとしてのパイオニア精神を注ぎ込み、マスターピースとも言うべき腕時計を製作。

　結果として完成したクロノグラフ 1は特徴的な外観を持っていた。スイス製の自動巻ムーブメントを搭載し、反射率の低いサファイアクリスタル製の風防と、完全にマットに仕上げられたブラックカラーのケースデザインは、ポルシェ 911のスポーティな外観を着用者の手首に初めてもたらしたのである。

　クロノグラフ 1が誕生した1970年代は、クォーツ式のムーブメントが腕時計市場を席巻し、デジタル式のディスプレイを備えた低価格な時計が流行し始めていた時期だった。また機械式ムーブメントを搭載した高価な腕時計は、ゴールドまたはシルバー色。そんな時代背景でありながらもF.A.ポルシェは、これらのトレンドに従うことなく自身の精神を貫いたのである。

　彼にとって機械式ムーブメントを搭載した腕時計は「クォーツでは提供できない」という価値を示し、プロダクトのデザインやケースのカラーを決定するのはトレンドではなく、機能であると考えていた。独自のデザインと卓越した機能性は品質と相まって、現在でもその価値を確立している。

ブランドのアイコンが復活

　ブランドの設立とクロノグラフ 1の発表から50年後、ポルシェ・デザインはこのアイコンモデルのアニバーサリー・エディションを500本限定で復刻し、創業者の情熱を復活させた。本作のデザインはオリジナルからほとんど変わっていないように見えるが、最新のテクノロジーで現代のスペックに刷新されている。

　パフォーマンスを重視して設計されたオリジナルのデザインに加え、この新作では両面にハードコーティングが施された7層の反射防止サファイア・クリスタル製の風防や、スーパールミノバを塗布した針やインデックスが備わり、あらゆる角度からでも瞬時に表示を読み取れる高い視認性を確保している。

　マットブラックで覆われた本作ケースとブレスレットにはチタンが採用されている。モータースポーツなどで使用されるこの素材は非常に軽量であり、軽量であると同時に耐食性を備えている。また、このケースの防水性能は10気圧で、高い実用性も兼ね備える。