クストスの「チャレンジ シーライナー」と「メトロポリタン」に、サファイア クリスタル ケースのモデルが登場した。「チャレンジ シーライナー P-S オートマティック」は2モデル、「メトロポリタン P-S スケルトン」は3モデルでの展開となる。
自動巻き。パワーリザーブ約42時間。サファイアクリスタルケース(縦53.7×横41mm)。50m防水。709万5000円(税込み)。今夏発売予定。
チャレンジ シーライナー P-S オートマティック サファイア
自動巻き。パワーリザーブ約42時間。サファイアクリスタルケース(縦53.7×横41mm)。50m防水。709万5000円(税込み)。今夏発売予定。
クストスは、ムーブメントを包み込むケースが透明で、360度どこからでもムーブメントの構造を確認できる腕時計5モデルを発表した。高級機械式時計は、ゴールドやプラチナといった素材でケースや裏蓋を作り、美しい仕上げを施した文字盤でムーブメントを閉じるように隠すことが慣例である。しかし「チャレンジ シーライナー P-S オートマティック サファイア」では、感性を刺激する時計作りに集中している。
スモールセコンドは、船に取り付けられたスクリューの動きを再現し、さらに機械式時計のメカニズムをリンクさせるため、特殊な設計を施している。通常、センターセコンドはムーブメント中央部分にあるため、エスケープメント横のセコンドホイール(4番車)に取り付けられる。
しかしエスケープメントが11時側にあるため、6時側にスモールセコンドを設置するデザインを優先するためにガンギ車から動力源をとり、新たに6時位置まで輪列を作成している。また、スモールセコンドはスクリューの動きを実現させるため、駆動中に違和感のある動きが起きないよう、アディショナルセコンドホイールの裏側から微弱な永久磁石で安定させる新技術を搭載している。これはどの角度から見ても、美しく立体的に魅せるためだ。
メトロポリタン P-S スケルトン サファイア
自動巻き(cal.CVS410)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。サファイアクリスタルケース(縦51×横42mm)。50m防水。605万円(税込み)。今夏発売予定。
ウォッチメイキングの技術を現代的に表現した「メトロポリタン」は、微弱な永久磁石でスモール セコンドの駆動を安定させる新技術を採用したメカニカルムーブメントを搭載している。
機械式時計のムーブメントをスケルトンで表現する、クストスならではのスタイルが融合したこれらのコレクションは、少量生産のため希少性を重視する目利きやコレクターの心に訴えかけることだろう。
これらの限定モデルにおいては、タングステンのウエイトを採用したローターに刻印されている各製品固有のQRコードから、製品が本物であることを保証する情報にアクセスできる。
自動巻き(cal.CVS410)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。サファイアクリスタル(縦51×横42mm)。50m防水。605万円(税込み)。今夏発売予定。
自動巻き(cal.CVS410)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。サファイアクリスタル(縦51×横42mm)。50m防水。550万円(税込み)。発売中。
サファイアクリスタルの簡単な歴史
サファイアクリスタルは、300年以上前に機械式時計の軸受として初めて産業用途に使用された。長寿命と高精度を生み、耐久性と低摩擦の高品質な素材ゆえ高いコストに見合うだけの価値があった。
その歴史の最初に、合成コランダムであるフラックス法合成ルビーが1873年に生産された。その後、1885年にフラックス法ジュネーブ合成ルビーが登場し、1902年にベルヌーイ火炎溶融合成ルビーが商業的に導入された。初期の合成サファイア(合成ルビー)は宝石や時計の軸受けに使用されている。
それ以来、合成サファイアはたゆまぬ技術革新が進み、より大きく、より完璧な形状の合成サファイアができるようになった。
時計の風防に使われる素材は主に3タイプ
①プラスチック / アクリル:昔はこれらが標準素材だった。プラスチックは最も安価な素材だ。非常に柔らかく柔軟性があるため、飛散する可能性が最も低い代わりに傷が付く可能性も最も高い。小さな傷は研磨して取り除くことができるのが利点でもある。
②ミネラル ガラス:ミッドレンジウォッチに使われる素材である。プラスチックやアクリル製のクリスタルよりも少し高価だが、傷に対する耐性は大幅に向上。いわゆるガラス製である。今日のほとんどすべてのミネラルガラスは、「強化」ミネラルガラスだ。これはガラスの表面が「熱強化」(高温に加熱)されていることを意味し、ガラスの表面に傷がつきにくくなり、「割れ」にくくなる。ミネラルガラスに傷や欠けがある場合、研磨して修復することはできず、交換する必要がある。
③合成サファイア:合成サファイアクリスタルは、ガラスではない。これは、非常に高温で純粋な酸化アルミニウムを結晶化させた、非常に硬く透明な宝石と言えよう。合成サファイアは、天然サファイアと同じ硬さを持っている。また屈折率が高いため、ミネラル クリスタルよりも反射性が高い。そのためよく光る。酸化アルミニウムを加熱すると合成サファイアは丸い塊を形成し、ダイヤモンドでコーティングされたカッターでスライスする。その後サファイア クリスタルのディスクは、時計の風防、ダイアル、ケースなどに研磨され、私たちが見慣れた形へと変化していく。サファイア クリスタルの結晶をつくるためには長い時間が必要だが、それとは別に、この硬い素材をカットして研磨するために必要なツールが非常に高価なこともあり、自然と価格が高くなる。
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