新作複雑時計ランキング / 充実のハイコンプリケーション

篠田哲生（37歳） 嗜好品ライター

「品よし、質よし、精度よし。複雑時計も手堅めで」
時計界は手堅くコンサバ化していると思いきや、探せばきちんとコンプリモデルは登場しており、しかも名門ブランドの技術力がしっかり生かされている。精度にこだわるところも美的表現にこだわるところもあるが、総じて品質が高いのが嬉しい。派手さや面白さを優先させたことで、故障が頻発していた時期からすれば隔世の感。コンプリさえも無茶せず地に脚が着いているという意味では、これだって“コンサバ化”なのかもしれないが。

1 ウブロ／MP-05 ラ・フェラーリ
2 オーデマ ピゲ／ロイヤル オーク オフショア グランド コンプリカシオン
3 カルティエ／ロトンド ドゥ カルティエ ミステリアス アワーズ
4 ピアジェ／ピアジェ エンペラドール・クッション オートマティック ミニッツリピーター
5 フランク・ミュラー／サンダーボルト トゥールビヨン
6 リシャール・ミル／RM59-01 トゥールビヨン ヨハン・ブレイク
7 ルイ・ヴィトン／タンブール ツイン・クロノ
8 ジャガー・ルクルト／マスター・トゥールビヨン・デュアルタイム
9 パテック フィリップ／クロノグラフ Ref.5170
10 ハリー・ウィンストン／オーパスⅩⅢ

広田雅将（39歳） 時計ジャーナリスト兼アートソルジャー、Web Chronosモデレーター

「機構の面白さより、時計としての完成度」
リーマンショック以前、各社は変わった複雑時計をリリースしようと躍起になった。しかし、今やそういった“壊れやすい”複雑時計の時代は終わった印象を受ける。もちろん市場に多様性があるのは重要だが、個人的には、地に足が付いた、あるいは壊れにくそうな複雑時計を評価したい。

1 ピアジェ／ピアジェ エンペラドール・クッション オートマティック ミニッツリピーター
2 A.ランゲ&ゾーネ／1815 ラトラパント・パーペチュアルカレンダー
3 カルティエ／ロトンド ドゥ カルティエ ミステリアス ダブル トゥールビヨン
4 タグ・ホイヤー／カレラ マイクロペンデュラムズ
5 F.P.ジュルヌ／カンティエーム パーペチュアル
6 ルイ・ヴィトン／タンブール ツイン・クロノ
7 ジャガー・ルクルト／マスター・グランド・トラディション・ジャイロトゥールビヨン3・ジュビリー
8 ロジェ・デュブイ／エクスカリバー クアトゥオール
9 ボヴェ／フルリエ ヴィルトゥオーソ 45 トゥールビヨン
10 ウブロ／MP-05 ラ・フェラーリ

髙木教雄（50歳） ライター

「かつてない機構に挑んだ機械式時計の花」
ジュネーブでもバーゼルでも、今年は複雑時計が花盛り。景気が良いのでしょう。実際に買えるわけではないけれど、コンプリケーションは見ていて楽しい！　既存のムーブメントを用いた新作の中にも優れたモデルが多かったけれど、新設計のキャリバーに限ってチョイスした。多くが今までにない新たな試みに挑んだ意欲作揃い。やはりコンプリケーションは機械式時計の花だと実感。

1 ジャガー・ルクルト／マスター・グランド・トラディション・ジャイロトゥールビヨン3・ジュビリー
2 カルティエ／ロトンド ドゥ カルティエ ミステリアス ダブル トゥールビヨン
3 F.P.ジュルヌ／カンティエーム パーペチュアル
4 ピアジェ／ピアジェ エンペラドール・クッション オートマティック ミニッツリピーター
5 ルイ・ヴィトン／タンブール ツイン・クロノ
6 ロジェ・デュブイ／エクスカリバー クアトゥオール
7 リシャール・ミル／RM27-01 トゥールビヨン ラファエル・ナダル
8 A.ランゲ&ゾーネ／1815 ラトラパント・パーペチュアルカレンダー
9 ブレゲ／クラシック トゥールビヨン オートマティック エクストラフラット 5377
10 ブランパン／ル・ブラッシュ トゥールビヨン カルーセル