選考委員の選定モデル詳細
菅原 茂(66歳) 時計ジャーナリスト
「量産型の健闘に期待する」 自社製をうたう例は今や珍しくない。奇抜さや複雑さを競う好事家向けの自社製は評価外とし、べーシックな量産型の良品に注目した。 1 ロレックス/32系搭載モデル 全般 |
篠田哲生(43歳) 嗜好品ライター
「実用的なメリットも大きいが、今はムーブメントで時計を遊ぶ時代」 現在の自社ムーブメントのトレンドとして見逃せないのが「ペリフェラルローター」。この技術の実用化によって、薄型化などで大きな進化があった。また、デザイン重視で独自ムーブメントを開発する事例も増えた。持続時間や精度など、基本性能のスペックアップも大切だが、個性を楽しむための自社ムーブメントこそ、褒めたたえたいと思うのだ。 1 カール F. ブヘラ/マネロ パワーリザーブ |
野上亜紀 時計・宝飾ライター
「ユーザーへの訴求と時計の未来とのバランスで」 折角なので女性向けの改良や趣向、ユニセックス向けの展開、宝飾化を見据えたものなどをあえて織り交ぜて選んでみた。精度の追求やユーザー向けのスペックアップなどももちろん含めた、各ブランドの“今”の在り方を一気に振り返ることができるのも、この究極のテーマが持つ面白さかと。 1 シャネル/J12 |
KIH Watch-Media-Online.com 副編集長
「インハウスだから〝良い時計〟とは限らない」 インハウスムーブメントを使った“良い時計”を選んだ。個人的には、正直な開示があり、かつトータルで良ければ別にすべてインハウスである必要はないと考える。小型ブランドや独立系が自社ムーブメントでも水平分業でも、質の高さを広く認めてもらえる環境になってきて、うれしい限りだ。 1 クロノメトリー フェルディナント・ベルトゥー /クロノメーター FB 1L.4 |
名畑政治(60歳) 時計ライター
「選択肢が多すぎる」 自社製ムーブメントを、といわれてピックアップしたら軽く10を超えた。それほど現代は自社製ムーブメントが多く、単に自社製というだけではアピールしにくい時代である。だから外装も含め個人的な好みで選んだ。例によってすべて同列、順位なし。 ・ オメガ/スピードマスター ムーンウォッチ 321 ステンレススティール |
広田雅将(45歳) 『クロノス日本版』編集長兼アートソルジャー
「現行の魅力は良質な実用ムーブメントにあり」 ベーシックなムーブメントばかりを選んだのは、今が優れた基幹ムーブメントの最盛期だから。理論上は1950~60年代のものほどの耐久性は期待できない。しかし、精度は極めて高い上、磁気帯びもしにくく、自動巻きはデスクワークでも十分巻き上がる。理想を言うと、優れた手巻きムーブメントを期待したいが、これは難しいだろう。 1 オメガ/マスター クロノメーター搭載モデル 全般 |
ランキングの集計ルール
●選考委員は、各号のテーマに沿った腕時計を10本選び、順位をつける。
●選考委員ひとりあたりの所持ポイントを110点とし、これを1位20点、2位18点…… 10位2点として選考モデルに振り分ける。
●選考された時計が順位無しの場合は、所持ポイントを10等分して、各モデルに11点を与える(選考本数が10本に満たない場合でも、1モデルあたり11点とする)。
●獲得点数が同点となった場合は、選考者数の多いモデル、その中で選考順位の高いモデルの順で優位とする。
●最低有効得票数を2票とする。